日経平均株価が2017年5月に入ってから堅調だ。1万9989円94銭まで上昇し、年初来高値を更新している。2015年6月につけた高値2万0952円71銭に迫る水準だ。

2016年にはイギリスのEU離脱を問うた国民投票、いわゆるブレグジットショックや、米国の大統領を決めた大統領選挙といったイベントが、世界中の金融市場に影響を与えたことは記憶に新しい。数多くのイベントを乗り越え、株式市場は上昇してきた。その様子を見て、株を買ったという人の中には、株を売却するタイミングがいつなのかと悩んでいる人もいるかもしれない。

株式投資で儲けるための基本は、「安い時に買って、高くなったら売る」だ。しかし、「まだ値上がりするかもしれない」と考えて、売り時の決断を先送りにし、含み益を減らしてしまうことはよくあることだ。株式投資で含み益が発生した場合、売り時の判断をどのように下したらいいのだろうか。

株を売却するタイミングを考える場合、あらかじめ利益確定のルールを決めておき、そのルールに従って機械的な取引を心掛けることが大切だと筆者は考える。

具体的な株の売却タイミングを考える方法としては2つある。

(1)株を買った値段からどれだけ値上がりしたか、買値からの値上がり率で売り時を決める方法
(2)株を売買する時に、株価チャートを見て売買タイミングを分析する方法

売るタイミングを上昇幅で決める方法

投資初心者
(写真=PIXTA)

まずは、(1)株を買った値段からどれだけ値上がりしたか、買値からの値上がり率で売り時を決める方法から解説する。

例えば、「株を買った値段から10%値上がりしたら売る」という風に、あらかじめ株を売る価格を決めるための上昇率(●%)を決めておく。10%とした場合には、1000円で株を買った時の10%の値上がりは100円なので、1100円になったら株を売る。

ただし、上昇率を何パーセントしたらよいのかを判断することは難しい。一日に1~2%程度の値動きしかない銘柄もあれば、10%程度も株価が動く銘柄もある。また、30%程度の利益を期待していても、15%程度で株価が天井を打って値下がりしてしまい、株価が30%まで上昇しない場合もある。銘柄の過去の値動きを参考にしたり、その時々のマーケットの地合いに応じて、上昇率を決めることが大切だ。

売るタイミングを株価チャートで決める方法