中国市場への輸出に「極度」に依存する6大国という一文を、ニュースサイト「今日頭条」が取り上げた。日本もその例外ではないと強調されている。まずその財経評論家という原著者の6カ国分析を見てみよう。幅広い言論をピックアップしているサイトだが、果たして冷静な主張になっているのだろうか。

6位〜4位 資源国と日本

日中関係,今日頭条,ランキング
(写真=aphotostory/Shutterstock.com)

(6)オーストラリア

オーストラリアは鉄鉱石の大輸出国である。その輸出の34%は中国が占めている。これだけでオーストラリアのGDP総額の6%に当たる。中国はオーストラリアにとって最大の貿易パートナーである。両国による自由貿易協定の発効以降、関税引き下げの恩恵は貿易全体の90%にも及んだ。これは両国の貿易に大きな利益をもたらした。貿易促進にこれ以上友好な手段はなかっただろう。

(5)日本

日本の輸出における中国のシェアは19%である。これはGDPの3%に相当する。日本経済は高度に発達し、銀行業、金融業、保険業、航空業、サービス業のGDP比が高い。しかし国土狭小、資源に乏しい日本が依然として世界の経済的リーダーであり続けているのは、輸出産業に依存している。つまり中国の巨大市場は日本経済にとって、重要な意義を保ち続けているのだ。

(4)チリ

チリの輸出における中国のシェアは23%である。これはGDPの8%に相当する。チリは世界で最も細長い国家として知られ、南米諸国連合の一員である。そして同連合12カ国の中では、ブラジル、アルゼンチンに次ぐ強国でもある。そして世界で最も豊富な埋蔵量の銅鉱山を持っている。銅の輸出量は世界最多であり、中国との主要貿易品目も銅である。

3位〜1位 1位はやはりあの隣国

(3)ブラジル

ブラジルは世界で最も重要な農産物輸出国である。その輸出に占める中国のシェアは18%で世界最大だ。そのためブラジルは中国との合弁事業に大きな関心を示している。2000年から2015年までの間に、中国とブラジルの貿易額は100億ドルから2555億ドルにまで増加したのだから当然だ。中国はブラジルにとって最大の貿易のパートナーであり、外貨の供給源である。

(2)タイ

タイの輸出における中国のシェアは12%以上である。これはGDPの7%に相当する。同時にタイ観光業の急速な発展は、中国人旅行客の増加と不可分の関係である。中国ータイ間には目立った直接的な利益の衝突はない。さらにタイは順調な経済の国家ランキングで第1位を占めている。

(1)韓国

韓国の輸出における中国のシェアは25%である。これはGDPの10%以上に相当する。中国の韓国からの輸入(2016年)は1589億ドルで、シェアは10%だ。そしてここ4年連続で中国の輸入シェアトップを占めている。半導体、造船、自動車、家電、石油化学製品が中心だ。中国への輸出は韓国経済に強力なエネルギーを注入した。しかし政治的理由により2016年後半から、急速に減少を始めた。韓国経済にとってとても平静ではいられない事態である。

ネットユーザーからは異論続出

次にこれに対するユーザーコメントを見てみよう。

  • 頭がどうかしている。THAAD配備で韓国が影響を受けたのは観光業だけだ。
  • トヨタの人間は中国で全く車が売れなくても、失う利益は百分の一だけだと言っていたぞ。
  • 日韓が中国に依存しているのではなく、中国が日韓に依存しているのだ。
  • 日本が中国に依存しているのなら、なぜ日本はいつも中国に挑んでくるのだ。
  • 宇宙全体が中国から離れられないとでもい言うつもりか。野郎自大にすぎる。

以上のようにシニカルなものが非常に多く、ネット世論は冷静である。「野郎自大」な議論にはネット民が冷や水を浴びせる図式ができている。しかしこれでもまだまだ不足している。さらに冷静になってもらいたいものである。(高野悠介、中国貿易コンサルタント)

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