5月22~26日の東京株式市場は一進一退の展開だった。25日には日経平均株価で1万9800円台まで上昇したが、利益確定の売りも出て2万円台回復はならなかった。

米株式の堅調地合いが、下支え要因となっているが、それでも日経平均株価で2万円大台を超えるには力不足の印象は否めない。全体相場としての方向感が出にくくなっており、値動きの良い銘柄への物色が広がりそうだ。

東証マザーズ市場「週間出来高」ランキング

それでは、今回は東証マザーズ市場の「週間出来高」上位10銘柄を見ていこう。

(1)リミックスポイント <3825> 543円 1億0517万0600株
(2)ソレイジア・ファーマ <4597> 570円 5975万6800株
(3)ジーエヌアイグループ <2160> 418円 2201万4000株
(4)ドリコム <3793> 2073円 2096万8200株
(5)ASJ <2351> 1524円 1588万1000株
(6)プレシジョン・システム・サイエンス <7707> 507円 1045万6400株
(7)サイバーステップ <3810> 2636円 921万5200株
(8)Aiming <3911> 589円 913万7000株
(9)中村超硬 <6166> 2126円 740万4500株
(10)総医研ホールディングス <2385> 288円 663万8900株
※銘柄、証券コード、26日終値、出来高。データはヤフーファイナンスに基づく。

上記ランキングを業種別でみると、情報・通信業が5銘柄と半数を占めている。その他は医薬品2銘柄、精密、機械、サービスが各1銘柄だった。

リミックスポイント、「週間出来高」ランキングで1位に

今回は上記ランキングから、リミックスポイント、プレシジョン・システム・サイエンス、総医研ホールディングスの3社を取りあげたい。

先週はビットコイン関連として、リミックスポイント株が注目を集めた。同社は2016年3月に仮想通貨取引所・交換所運営を目的に子会社「ビットポイント」を設立(※現在はビットポイントジャパン)。足元でビットコインの相場が急騰していることを受けて人気化し、「週間出来高」ランキングで1位となった。

なお、同社は5月22日にANAホールディングス傘下のLCC(格安航空会社)、ピーチ・アビエーションと業務提携し、仮想通貨ビットコインで航空券などが購入できる決済システムを12月末までに導入すると発表した。両社はホテルやレストランでもビットコインを使えるように決済システムの普及を進め、訪日外国人の利便性向上を目指すとしている。

プレシジョン・システム・サイエンス、日立ハイテクノロジーズと提携

プレシジョン・システム・サイエンス(PSS)は1985年設立の精密機器会社。遺伝子検査、たんぱく質検査などの体外診断に関する研究開発や、その実用化にあたり使われる自動化装置、その他の理化学機器、ソフトウェアなどに関する開発、製造販売を手掛けている。

5月15日、PSSは日立ハイテクノロジーズと資本業務提携契約を結んだと発表した。今月末に日立ハイテクノロジーズは第三者割り当て増資により、PSSの株式の約1割を約8億5000万円で取得する。

PSSは調達した資金を、体外診断市場向けの全自動遺伝子検査システムや試薬の充実のための開発資金に充てる。また、PSSが開発した核酸抽出システムや小型遺伝子検査システムを日立ハイテクが販売する。

提携の発表を受けてPSS株は一時急騰した。ただ、22日以降は上昇も一服し、利益確定の売りも出て上値が重くなっている。商いは活況を呈し、今回のランキングで6位となった。

総医研ホールディングス、NRLファーマの子会社化で人気化

総医研ホールディングスは、大阪大学医学部発のバイオベンチャーとしてスタートした新興企業。食品などの評価試験、医薬臨床研究支援、ヘルスケアサポート、化粧品、健康補助食品に関する事業を手掛けている。

5月19日、同社はNRLファーマ社の発行済み株式の約58%を約5億円で取得すると発表した。NRLファーマは多機能タンパクであるラクトフェリンなど機能性素材の加工・用途に関する特許を保有しており、総医研ホールディングスはラクトフェリンを使った化粧品を今後の主力品に育てていきたい考え。その他、新素材開発などで研究開発力を強みとするNRLファーマと相乗効果を引き出すとしている。(ZUU online 編集部)