韓国経済新聞が「日本の電機メーカーの変革が進んでいる」と5月31日付の社説で指摘した。ソニー <6758> 、日立製作所 <6501> 、東芝 <6502> 、NEC <6701> 、パナソニック <6752> 、三菱電機 <6503> 、シャープ <6753> 、富士通 <6702> といった8大電機メーカーの2016年4月から2017年3月期の売上は44兆4232億円で、2012年度と比べてわずか0.18%しか増えていないが、営業利益は71.8%増加している。
ただ日本8大電機メーカーの売り上げは、サムスン電子の2倍に及ばず、営業利益は最も高い三菱でさえ6.37%でサムスン電子(14.49%)の半分にも達していないとし、さまざまな分野に進出するサムスンと比較して「総合優勝」より「種目優勝」に方向を定めて、日本の強みである部品技術や素材技術で市場を握ろうとする戦略とみている。
自尊心より収益性とみる
ノキアやモトローラなど世界的企業が市場から消えていくなか、電機王国として名を馳せた日本メーカーは中核技術に重点を置いた体質改善と事業再編で収益が増加したと分析する。
ソニーは2017年3月期の連結業績で2887億円の営業利益を出している。復活をけん引したのはゲーム事業と金融事業だが、イメージセンサーも稼ぎ頭として急成長を遂げている。デジタルカメラやスマートフォン用のイメージセンサーはもちろん、2014年に開発した自動車カメラ用イメージセンサーは、従来品と比べて感度が10倍高く、暗いところでも事物をしっかりと認識する。2020年までに企業比率を最大20%まで伸ばしていく考えだ。
パナソニックも自動車用カメラセンサーと超音波センサー市場に参入した。自動車産業の核心である照明用ランプや二次電池関連の部品なども生産しており、米国テスラに供給する二次電池は成長が注目されている。 サムスンSDIも名乗りをあげたが、米テスラはパナソニックを選択した。
総合電機メーカーの日立製作所は、産業電機や重電機ITインフラ事業など、企業対個人間取引(BtoC)から企業間取引(BtoB)に軸足を切り替え、三菱電機も利益率が高い工場自動化事業に注力している。
韓国経済新聞は自動車部品にも注目する。自動車産業は、多くの工程で自動化が進み、プラットホームの変換がめったに起こらない構造で部品メーカーの利益率は高い。超小型モーターに強みをもつ日本電産 <6594> やTDK <6762> 、アルプス電気 <6770> 、村田製作所 <6981> などの部品メーカーが自動車市場に参入している。