世界の国々を対象とした「世界幸福度ランキング」という調査をご存じでしょうか。国の裕福さだけではなく、国内の社会情勢、健康福祉、国民の自由度などさまざまな視点から「幸福度」を数値化し、ランキングするというものです。

このランキングで、日本は何位なのでしょうか。また、上位国にはどのような特長があるのでしょうか。

調査の概要

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(写真=Rawpixel.com/Shutterstock.com)

国連では、「世界幸福の日」に定めている3月20日、最新の「世界幸福度報告書2017」を発表しました。

この報告書は、2012年4月からはじまりました。今回は、世界の155ヵ国を対象とした幸福度ランキングがあります。

この調査では、調査対象とする国の国民の自由度や1人あたりの国内総生産GDP、健康寿命、政治、社会福祉制度の充実、性の平等、社会の腐敗などを元に「幸福度」を数値化し、ランキングにしています。

報告書では、「ランキングの上位国は社会福祉や自由の度合いなど幸福に資する主な要因において高評価だった」としています。裕福な先進国が必ず上位になるというわけではなく、心身の健康や人間関係の差によるところが大きいようです。

2017年の幸福度ランキングトップ10

今回の、2017年ランキングの上位10位を見てみましょう。

1位 ノルウェー
2位 デンマーク
3位 アイスランド
4位 スイス
5位 フィンランド
6位 オランダ
7位 カナダ
8位 ニュージーランド
9位 オーストラリア
10位 スウェーデン

上位5ヵ国のうち4ヵ国を北欧諸国が占めています。日本は51位、アメリカが14位、ドイツが19位、シンガポール26位という結果となりました。

コロンビア大学のジェフリー・サックス教授は、アメリカのランク低下は不平等感と不信感、汚職などによるものだと指摘しています。また、トランプ政権が主張する経済政策は事態を悪化させるものだとインタビューで答えています。

ノルウェーはなぜ幸福度が高いのか

ノルウェーが幸福度ランキングで1位に輝いたのは、石油・天然ガス資源による寄与という特殊要因もありました。しかし石油価格が低迷したことにより、要因はそれだけではないという事実が広く知られました。

他にあげられる要因の一つは国民保険の充実です。

ノルウェーの国民保険制度は、国内に居住するすべての人と、国外に居住するノルウェー国籍の人を対象とし、年金、労災、疾病、妊娠、出産、葬儀などに関わる給付を受けることができる政府管掌保険制度です。

年金の基本の受給開始年齢は67歳ですが、条件により62歳から75歳の間でフレキシブルに受給することもできます。また、働きながら年金を得られるシステムとなっています。病気やケガで最低50%の労働能力が失われた場合、就労援助給付や障害年金を受けることができます。

就労援助給付の給付金額は過去3年間の収入に依拠し、離職前の所得の66%が給付されます。また、疾病給付についても、非常に手厚い保障を行っています。病気やケガで休職する場合には、賃金の100%(上限有)が保障され、発生した日から260日分支給されるというものです。

育児給付に至っても、育児休養46週間分支給(賃金の100%)か52週間分の支給(賃金の80%)のどちらかを選択することができます。

医療給付としては、国民保険の加入者は無料で病院での治療を受けることができます(一部負担有)。なお、患者負担金額にも上限が設けられており、それ以上の負担が生じる場合には医療給付を受けることができます。

幸福度を高めるためにできること

何をもって「幸福」とするのか、幸福の価値観は人それぞれによって異なります。しかし、生活が保障されていることで、より豊かに過ごすことができるでしょう。

ノルウェーのように社会保障制度が充実してくれればよいのですが、日本の制度はまだ追いついていません。万が一のときのために備え、心身共に安心して過ごせるように日本の公的医療保障や年金制度を利用しつつ、不足している部分を保険などで補っていきましょう。(提供: 保険見直しonline

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