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平成25年は外債売買益に関して大きな税制改正がありました。改正実施の平成28年以降は今まで非課税だった外債売買益が課税対象になります。今こそ外債売買と税金の知識をしっかり身に付けて有利な運用ができるように勉強しておきましょう。


外債売買の税金について

外債とは、発行者または発行場所が海外の債券全般を指します。外債を建値で分類すると円建と外貨建てになります。外債には為替リスクがつきものですが、為替リスクを緩和するために考案されたのが二重通貨建て外債です。

二重通貨建て外債には下の二種類があります。

払込

利払い

償還

デュアルカレンシー債

日本円

日本円

外貨

リバースデュアルカレンシー債

日本円

外貨

日本円

①外債は発行主体でも分類することができます

ソプリング債…国債や政府機関債など各国の中央政府が発行あるいは保証する債券

クレジット外債…一般の企業や金融機関が発行する債券

国際機関債…世界的な公的機関が発行する債券 発行元としては世界銀行などが有ります

②金利タイプで分類すると、固定金利付き、変動金利付き、割引型があります

利率が0.5%未満のものを低クーポン債、利子計算が一年以上のものをデファードペイメント債、金利と元本を分けて取引できるものをストリップス債、国外で割引く方法で取引されるものをゼロクーポン債といいます。


外債の運用益にはどんな特徴がある?

外債の運用益は、基本的には、国内債券と同様に金利、償還益、売買益の3つです。 もう一つ外債の運用益として為替差益を上げる事が出来ます。

①金利

その債権によって固定金利、変動金利、割引方式が有ります。 割引とは、購入時に額面から金利分を差し引く方式です。 現在の日本国内金利よりは外債の方が高利回りです。 一般的に信用リスクが高い債券の金利が高くなっており、新興国の債券にこの傾向が顕著にみられます。

②償還益

債券の期日が来た時に債権の代金が払い戻されますが発行元の資金運用成果によって償還金額が購入金額を上回った時に償還益が発生します。

③売却益

債券を償還期日までに売却した場合はその時の市場価格で取引されます。 売却価格が購入時の価格より高ければ利益が出て、購入価格より安ければ損失が出てしまいます。このようなリスクを価格変動リスクといいます。


売却価額を決定する要素

①為替リスク

債券の当該国の為替レートが高くなれば債権の価値は高くなります。

②信用リスク

債券の発行体の経営状況、財務状況が悪くなれば債権が購入額面通りの価格で償還できなくなる可能性もあります。

③カントリーリスク

発行体がある国の経済的、政治的状況も債券の価額に大きな影響を与えます。戦争や内乱などがある国の信用度は低いので債権の価額は下がってしまいます。 また、購入時の約束通りの金利を払えなくなる可能性もあります。 このような発行体の状況を格付けするのが格付け会社です。世界的に有名な格付け会社はスタンダード・アンド・プアーズ、ムーディーズ、フィッチ・レーティングスなどです。一社の格付けだけではなく数社の格付けを見比べるのも正確な情報を得る手立てにはなります。


外債の運用益にはどんな税金がかかる?

外債運用益には所得税がかかるのですが、債券や運用益の種類によって課税方法が違います。課税方式は大きく分けて源泉分離課税と総合課税方式に分かれます。

①源泉分離課税

他の所得とは分離して当該所得の支払者が定められた税率で所得税分の金額を差し引いて支払う方式です。

〈一般的な税率 所得税及び復興特別所得税15,315%+住民税5%=20.315%〉

【差額徴収方式】

国外で源泉徴収されているものに関して、国外源泉徴収分と国内源泉徴収分を加えた金額が所得の20%になるよう調整する課税方式。なお、源泉徴収額の2.1%を復興特別所得税として加算します。

【みなし外国税額控除】

円建て外債については、還付請求により「みなし外国税額控除」の適用を受けることができます。

②総合課税方式

さまざまな所得を合算して課税するもので、所得金額によって5%から40%の税率を課税されます。


今なら売却益が非課税の外債があります!

現行の税制では、外債の売却益には税金がかからないものがあります。

債券の種類

利子

償還差益

売買益

円建外債

国内発行の国際復興開発銀行債など
・国際復興開発銀行(世界銀行)・・米州開発銀行・・アジア開発銀行・アフリカ開発銀行・国際金融公社

利子所得として総合課税

総合課税
雑所得

非課税

中国・フィリピン・ブラジル発行の円建て債券

源泉分離課税
【みなし外国税額控除適用】

総合課税
雑所得

非課税

その他のサムライ債

源泉分離課税

総合課税
雑所得

非課税

外国利付債

外国利付債
ユーロ円債、ディスカウント債など

源泉分離課税
[差額徴収方式]

総合課税
雑所得

非課税

低クーポン債

源泉分離課税
[差額徴収方式]

総合課税
雑所得

譲渡所得等として総合課税

外国割引債

ゼロクーポン債   ストリップス債

------

総合課税
雑所得

総合課税譲渡所得
外国割引債売却益は所有期間により最高50万円の特別控除適用

ただし、平成26年1月1日からのNISA導入に関連して平成28年1月1日以後外債の課税方式は大きく変わります。現行で非課税である売買益が雑所得として総合課税されることになったのです。

そして、現行では、これらの債権を売買した時に出た損失は他の所得に通算できなかったのですが、総合課税方式になったため、もし損失を出した場合は他の所得に通算できることになりました。今後改正税制実施までの間、外債の売買活動は非常に活発になることが予想されます。


外債運用は総合判断が大切!

資産運用にはリスクが付き物ですが、リスクを別の言葉に言い換えればチャンスという事にもなります。ひとつのリスクが上がれば別のリスクが下がる可能性もあります。だからこそ、リスク軽減の基本的な方法として分散投資が推薦されるのです。日本の国内投資に旨みが少ない昨今、外債をうまく活用してリスク軽減をしながら高利回りの旨み確保していきましょう。

・信用リスクが上がると債券の価額は下がりますが利子は上がります。
・債権の償還期間が長いほど為替変動リスクは軽減されますがキャッシュフローは悪くなります。
・発行体の信用リスクには所在国のカントリーリスクに大きく左右されます。
・流通量が多い債券ほど透明性や公正性は高くなりますが希少性は低くなります。
・市場金利が上昇すると債券価額は下落する。
・円高が進むと外債の円価額は下がる。
・外貨建ての場合、円転の際に手数料がかかります。

ひとつのリスクだけに注視していると他のリスクを被っている場合も有ります。外債運用にはあくまでリスクを総合的に判断できる情報網が必要なのです。

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