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見通し・戦略
Written by 平田和生 271記事

金融引き締めと米景況感の綱引き

【週間為替展望】FOMCで「円安傾向」のトレンド 継続するかの注目点

前週(6/12~6/16)の東京為替市場で円は反落、16日の東京銀行間のインターバンク市場の17時のレートは111円19銭で終え、週間で86銭(0.8%)の円安となった。ドル円の高値は109円28銭(6/15)、安値は111円38銭(6/16)だった。14日に米6月のFOMCを控え、週前半は狭いレンジでの商いだったが、FOMC後に円安に抜けた。

FOMCを機に相場の方向性が決まることがよくある。今回は米長期債利回りの底打ち、円安の傾向がでた。このトレンドが走るかに注目したい。

前週(6/12~6/16)の振り返り

週間為替見通し
(写真=PIXTA)

12日の東京為替市場で円は3日ぶりに反騰、17時のドル円レートは前週末比12銭円高の110円21銭だった。

8日に、英国総選挙、コミー前FBI長官の議会証言、ECB理事会といった重要イベントが重なる「スーパー・サーズデー」を終えたが、ドル円の方向感はでない。14日に米FOMCを控え模様眺め気分が強く、ドル円は110円20銭を中心にわずか28銭の狭いレンジでのもみ合いとなった。株式市場が海外のハイテク株安の影響で104円安と2万円を割り込んだもののドル円に動きはなかった。

13日の東京為替市場で円は反落、17時のドル円レートは前日末比3銭円安の110円24銭だった。NY為替市場でハイテク株の下落が続き、ドル円は109円台後半の小幅円高となっていたが、東京時間では前日に続き110円を挟んでの膠着した相場だった。

14日の東京為替市場で円は反騰、17時のドル円レートは前日末比5銭円高の110円19銭だった。13日のNY市場でハイテク株が反発し、NYダウが反発したため日本株は午前中に2万円を3日ぶりに回復する局面があったが、為替は全く反応しない。同日に注目の米FOMCを控え、110円を挟んでのもみ合いで一日のレンジはわずか24銭だった。

15日の東京為替市場で円は連騰、17時のドル円レートは前日末比67銭円高の109円52銭だった。NY為替市場では、FOMCに先だって発表された米5月消費者物価指数や小売売上が予想を下回ったため、米景気のスローダウン懸念から一時108円84銭までの円高に振れていた。FOMC後は、利上げとバランスシートの縮小というイエレン議長のタカ派的な発言に、逆に円安に振れて110円台まで円が売られた。

108円台の円高から円安へ切り返したことを好感、日経平均も朝方は80円高まで上げはじめ、ドル円は一時109円80銭まで円安が進んだ。もっとも、午後に加計学園問題で文科省と内閣府のやりとりの文書の存在が明らかとなり、政局の混迷が混迷するとの見方が浮上し、日経平均がマイナスに転じるとドル円も109円半ばでの展開となった。

16日の東京為替市場で円は反落、17時のドル円レートは前日末比67銭円高の111円19銭だった。

FOMC通過後、海外為替市場ではさらに円安が進み6月2日以来2週間ぶりの111円台をつけた。日本株にも買い安心感が広がり日経平均はお昼過ぎに一時2万円を回復する局面もあり、ドル円の中心相場は111円08銭だった。一日の円の安値は111円38銭だった。日銀は当日の決定会合で金融緩和策の現状維持を決めたが反応は限定的だった。

先週の海外動向を振り返る

16日(金)のNY為替市場では、東京時間からは円高が進み110円90銭でNY市場を終えている。黒田日銀総裁が政策会合後に金融緩和の「具体的な出口を示すことは難しい」と述べたことで、日本の量的質的緩和の出口は遠いとみて、ドル円は朝方一時111円39銭まで下落した。

その後、米5月住宅着工と6月ミシガン大の米消費者態度指数が予想を下回ると、米景気スローダウン懸念からドルが売られ、円は一時一気に110円65銭まで上昇した。ただ、それも続かず111円手間でまで戻されている。

「6/18~6/23」の為替展望

今週のドル円のメインシナリオは108円84銭から113円02銭レンジでの展開が想定される。

FOMC通過後で、FRBが利上げは年内1回ながら、量的緩和で膨らんだ4.5兆ドルのポジションの縮小の行程に入ることを公言した。来年も3回の利上げを想定している。イエレン議長発言は、市場ではタカ派ととらえられ米長期債利回りが反転し円安が進みかけた。長期債利回りは3月にトランプ政権後の最高水準である2.6%まで上昇したが、6月FOMC前には2.1%まで下落していた。米金利が再上昇するなら、円安に進む可能性が高くなる。FOMCでトレンドで変換することは多い。

ただ、米利上げを支えるのは米景気である。ここに来て米国の経済指標に予想を下回るものが増えてきた。米景況感がスローダウンするならば、16日の米国市場でのリアクションのように円高に振れる可能性もある。金融引き締めと米景況感の綱引きになるだろう。米景気は持ち直し、円安に進む可能性が高いとみているが、今週のトレンドが方向性となる可能性が高いので注視したい。

テクニカルでは、6月14日の経済指標後に走ったドルの安値108円84銭がドル円のサポートになるだろう。抜けた場合は4月17日の108円14銭が次のサポート。レジスタンスは、90日MAの113円01銭とボリンジャー2αの103円02銭だろう。これを抜けるなら6月11日の高値114円37銭が意識されよう。

今週のイベントは、日本では21日に4月の日銀決定会合議事録、23日に東京都議会選挙告示(7/2投票日)、海外では20日に米ジョージア下院補選、21日G7運輸相会合、22にEU首脳会談、ECB拡大理事会、23日BREXIT1周年、25日にイスラム圏ラマダン明けがある。また20日には、MSCIが中国A株のMSCI新興国株式指数に採用の可否を発表予定。

経済指標では、日本では19日に5月の貿易統計、20日に5月の百貨店、コンビニ、スーパー売上高、21日に訪日外客数。海外では、20日に米1~3月経常収支、21日に米5月中古住宅販売件数、22日に米5月CB景気先行総合指数、23日に米5月新築住宅販売件数がある。

平田和生(ひらたかずお)
慶應義塾大学卒業後、証券会社の国際部で日本株の小型株アナリスト、デリバティブトレーダーとして活躍。ロンドン駐在後、外資系証券に転籍。国内外機関投資家、ヘッジファンドなどへ、日本株トップセールストレーダーとして、市場分析、銘柄推奨などの運用アドバイスをおこなう。現在は、主に個人向けに資産運用をアドバイスしている。

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