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外貨預金について

外貨預金は多くの金融機関で取り扱われ、円建て預金と同じく普通預金、定期預金などがあり、最も身近な外貨金融商品です。円建て預金との大きな違いの1つは、預け入れ時や満期時、途中解約の引き出し時に、為替手数料がかかることです。

円を外貨に換えるときの為替レートをTTSと言い、通常の為替レート(仲値)に各金融機関が定めた為替手数料を加えたものがTTSになります。また、外貨を円に換えるときの為替レートをTTBと言い、通常の為替レート(仲値)から各金融機関が定めた為替手数料を差し引いたものがTTBになります。為替手数料は金融機関によって異なりますが、都市銀行などでは片道1円、往復2円が一般的のようです。

次に普通預金と定期預金の違いについてですが、一般的に定期預金は普通預金と比べると金利が高いというメリットがありますが、例えば円安になったときなどに途中解約して為替差益を得ると言ったような機動性が低いというデメリットがあります。また、金利が上がったとしても、定期預金の金利は低いまま固定されることがあるため、金利が低いときに預け入れることは望ましくありません。逆に、金利が高いときは、高金利を保つことができる中期・長期の定期預金が有利です。


利息にかかる税金(個人の場合)

利息にかかる税金は、外貨預金を国内の金融機関に預金している場合と海外の金融機関に預金している場合で異なります。国内の金融機関に預金している場合は、外貨預金の利息に対する税金としては、円建ての預金の場合と同様、20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%)の源泉分離課税ですので、利息を受け取る時点で課税関係は終了しているため、確定申告をする必要はありません。

課税時期については、満期日または解約時になります。また、利息にかかる税金の計算においては、利息を円換算した額に対して、税率(20.315%)を掛けた額が源泉徴収される額となります。尚、これも円建て預金の場合と同様ですが、2037年12月31日までは復興特別所得税を含めた額が源泉徴収されます(従来は、利息に対して20%(所得税15%、住民税5%)の源泉徴収)。

一方、海外の金融機関に預金している場合は、利息に対して国内の源泉徴収制度が適用されないため、利子所得として確定申告する必要があります。ただし、確定申告の際、外国と国内で二重課税にならないようにする外国税額控除を適用することにより、利息に対して外国で課税された税金の内、一定額については控除することができます。


差益にかかる税金(個人の場合)

為替差益については、雑所得(総合課税)として他の所得と一緒に所得税(超過累進税率)、住民税(固定税率)の課税対象になり、確定申告が必要です。ただし、給与を複数の会社から受け取っていない年収2,000万円以下の給与所得者で、為替差益を含めた給与所得及び退職所得以外の所得が20万円以下の場合は、確定申告が不要になります。また、満期日の為替レートが予め設定されている(予約レートが設定されている)場合、20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%)の源泉徴収課税で課税が完結し、この場合も確定申告は不要になります。一方、為替差損が出た場合は、確定申告の必要はありませんが、他の雑所得(総合課税)があれば、この為替差損と相殺することができ、相殺することにより雑所得に対する税金を減らすことができます。ただし、この為替差損などで雑所得がマイナスとなった場合でも、雑所得は0円と見なされるため、他の所得と損益通算することはできません。


外貨預金の税金(法人の場合)

法人にかかる外貨預金の税金については、利息、為替差益とも総合課税になります。利息については、国内の金融機関に預金している場合は、個人の場合と同様に、20.315%(所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%)の源泉分離課税され、源泉徴収された税金相当額は、法人税納付時に税額控除され調整されます(総合課税が適用されます)。尚、外貨預金の利息については、営業外損益として計上されるのが一般的です。また、利息にかかる税金の計算においては、利息を円換算した額に対して、税率(20.315%)を掛けた額が源泉徴収される額となること、2037年12月31日までは復興特別所得税を含めた額が源泉徴収されることなども、個人の場合と同様です。

ただし、非課税法人の場合は、利息、為替差益とも非課税となります。非課税法人とは、地方公共団体とその組合などの公共法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人などの公益法人のように収益事業を行わない法人のことを言います。


他の金融商品との比較

外貨預金は、円建ての預金と比較した場合、各金融機関や預入れ金額、預入れ期間などによっても異なりますが、同じ条件の場合、金利は外貨預金の方が高く設定されている場合が多いようです。しかしながら、外貨預金には為替手数料(片道1円、往復2円が一般的)がかかるため、高く設定されている金利だけでは、円建て預金と比べてそんなにメリットがあるとは言えないところがあります。そのため、外貨預金の大きな魅力の一つは利息よりも為替差益であると言えます。

つまり外貨預金については、金利の差が比較的少ない場合は、少しの為替変動の方が、円換算した場合の元本に大きな影響を与えると言えます。前述しました通り、外貨預金では、税金の計算も、円換算した額に対してかかることになります。

しかも、前述しましたように、利息については税金が一律に源泉分離課税されますが、為替差益については、給与を複数の会社から受け取っていない年収2,000万円以下の給与所得者で、為替差益を含めた給与所得及び退職所得以外の所得が20万円以下の場合は、確定申告が不要になります。長期的に投資する場合、利息も重要な要素であることは間違えありませんが、プラスになるかどうかについては為替変動による影響が大きいといえます。

従って、外貨預金については、どのタイミングで投資するかということがとても重要になります。つまり、外貨預金は為替差益が発生する可能性がある一方、為替変動によって為替差損が発生し、元本割れが発生する可能性もあります。しかし、前述しましたように為替差損が発生した場合でも、他の雑所得(総合課税)があれば、この為替差損と相殺することができます。

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