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今回は、FXをするにあたっての基本中の基本、資金管理についてお話しします。今回のお話をするにあたって、皆さんにお尋ねしたいことがあります。FXは投資でしょうか。それともギャンブルでしょうか。投資に興味のない人の中には、FXを含む投資全般をギャンブルと考え、「大儲けか大損か」のあまり良くないイメージを持っている人がたくさんいます。私の周りにもそういう考えの人は大勢います。その考えがまったく理解できないわけではありません。確かに、FXをやられる方の中には一攫千金を夢見て過剰なリスクを負い、投資の世界から消えていった人もたくさんいます。一方で、ごく短期間で資金を急増させた方もいらっしゃいます。こういう方々の存在が、「投資はギャンブルだ」と思わせる原因なのでしょう。しかし、投資はギャンブルではありません。もちろんFXもそうです。今回はFXをギャンブルにしない方法を皆さんにお伝えしていきます。


証拠金とは？

FXの正式名称は「Foreign Exchange」、日本語に訳すと「外国為替証拠金取引」となります。証拠金を使った外国為替取引ということなのですが、そもそも証拠金とは何のことでしょうか。証拠金とは、取引を行う際にFX会社に預ける担保資金のことを指します。手持ちの資金から証拠金としていくらか預けることで、実際にFX取引をすることができるのです。取引によって利益を得られれば証拠金に加算されますし、逆に損失が出てしまえば証拠金から引かれます。

日本国内のFXは金融庁の定めにより、証拠金の25倍までのレバレッジをかけて取引することが認められています。FXにおけるレバレッジとは、証拠金より多額の資金を動かして取引できる仕組みのことです。つまり、証拠金として100万円預けたとすると、2500万円持っているものとして取引をすることができます。ただし、レバレッジを上げれば上げるほどリスクは高まります。より多くの利益を目指すのであれば、レバレッジを上げるのではなく、それ相応の証拠金を用意してレバレッジを抑えた取引をするのが投資として考えた場合の常道でしょう。


取引スタイルによって違う必要資金

それでは、どれくらいの証拠金を用意すればいいのでしょうか。これは投資スタイルによって違います。為替をチェックする時間がほとんどなく、あまり難しいことを考えて投資をしたくないという方でしたら、証拠金に余裕をもたせる、つまりレバレッジを抑えた取引がよいでしょう。仮に持っているポジションが5円、10円逆行したとしても戻りを待つ余裕があるくらいの証拠金があると安心です。それでも、必ず大きな流れだけは確認しておいてください。例えば、2012年10月以降のいわゆる「アベノミクス相場」は大きな転換点になりました。この時点でドル円を売るポジションを持っている場合は当然切るべきでした。なぜなら、どこまで円安が進行するか分からず、戻りを待つにしてもいつ戻ってくるのか分からないからです。

取引は自分の見ている前でしかしない、指値逆指値は使わずすべて成行で取引をするという方でしたら、比較的高めのレバレッジを取っても大丈夫でしょう。それでも、突発的なニュース、経済指標で瞬間的に1円くらい動いてしまうこともあります。「ここを超えたら損失を確定させよう」というラインを決めておくことが大切です。損を認めることは辛いことですが、それによって次の取引チャンスができたと気持ちを切り替えたほうが良い結果につながります。


まず生き残ることが大切

私がFXで大切にしていることは、「どうやって利益を上げるか」よりも、「いかに損失を抑えるか」ということです。これは、損を認めず、マイナスの出ているポジションをいつまでも保有して戻るのを待つということではありません。情報収集やチャート分析によって相場の大きな方向性を見極め、流れに逆らわないトレードをするということを意味します。それでも、ポジションに対して逆行することはあります。その時はスパッと諦めて損失を確定させ、次のチャンスを待てばいいのです。切るべき時に切れず証拠金を大幅に減らしてしまえば、もうそれを挽回するチャンスすら与えられません。まず生き残ること。これが何よりも大切なのです。


FXを投資にするかギャンブルにするかはあなた次第

ここまでお話ししてきたように、FXは決してギャンブルではなく、資金管理さえきっちりと行えば一度に大金を失うようなことはありません。ただし、あなたが過剰なリスクを負った取引をするならば、途端にギャンブルへと変貌します。ギャンブルとしてFXに取り組めば、いつか必ず痛い目にあいます。それだけは忘れず、投資としてFXと向かい合うようにしましょう。

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photo credit: paul bica via photopin cc