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2012年末の自民党政権開始後わずか1年間で株価は56%の上昇率と約40年ぶりの活況を呈している事は色々なニュースで報道されているのでみなさんもご存知ですよね。それに付け加え、実は外貨投資をする日本人がもの凄い勢いで増加しているのをご存知でしょうか。2007年からの世界金融危機から続いた長い夜が明けようとしている2014年初頭ですが、この先の経済環境はどの様な変化が予想されるのでしょうか。現状の認識からおさらいして今後どの様な外貨投資をしていけばよいのか一緒に考えていきましょう。


同じカゴにタマゴを沢山入れてはいけない

日本はデフレが約20年も続きなかなか所得も増えないと言った環境が続いてきましたが、みなさんはどの様な金融資産を形成されていますでしょうか。多くの方が定期預金や普通預金、またはタンス預金等といった現金を資産としてあげられる方が多いのではないでしょうか。それは全く問題ないのですが、資産を運用したいと考えているのであれば少し考えた方がよいのかもしれません。よく同じカゴにタマゴをたくさん入れるなと言う格言があります。これは大切な物を一か所に入れておくとダメになる時は全部だめになってしまうと言う旨の事です。誰もが当然そんなことは分かっていると思うかもしれませんが、金融資産に関してはどんなカゴがあるのか知らなければタマゴを入れる事すら出来ないのです。さらにそのカゴにはどんな特徴があるのかも知らなければなりませんね。色々なカゴがある中、今回は外貨投資、特に外国為替証拠金取引と言うカゴの特徴をご紹介していきたいと思います。


世界各国の政策金利を比較

みなさんは政策金利と言う物をご存知でしょうか、日本の中央銀行である日銀が市中銀行に融資する際の金利の事を指します。日本はゼロ金利(正確には0~0.1%)ですので市中銀行は借りようと思えば殆ど無利子に近い状態でお金を借りる事が出来るのです。銀行は中央銀行から低金利で資金を調達できるため私達が銀行に預けた時の預金金利も低く設定されてしまいます。何故かというと、銀行は一般の人から預金をしてもらえなくても日銀から資金を調達できるからです。さらに、お金を借りたい人もあまりいないので日本の市中銀行は国債をたくさん買って運用しているのが実態です。この政策金利は世界金融危機以降先進国のほとんどでゼロ金利に近い状態となっており、かつて金利差は殆ど存在舞いしません。インフレリスクがある国や、ある程度政策金利を高めに保っておかないと通貨が暴落してしまう様な新興国は日本と比較してもかなり高い政策金利が設定されています。高金利通貨として有名な物にはブラジルレアルや南アフリカランド、トルコリラ等が有名です。預金金利が4%近くあると、預けた金額はおよそ10年で倍くらいになります。過去の日本も最高で9%くらいの政策金利(当時は公定歩合)が設定されていた時期もありましたが、現在の日本は低成長経済になってしまいましたので今後も政策金利が大幅に上昇する事は殆ど無いと言えるでしょう。


インフレリスク

日本はバブル景気崩壊(1990年)以降デフレ状態にありました、それ以降価格破壊や就職氷河期と言ったデフレによる不景気の波にさらされてきてすっかり好景気がどんな状態なのか忘れてしまいました。しかし、2013年に入り安倍首相と黒田日銀総裁によりインフレターゲットが1%から2%に変更されました。ちなみにバブル絶頂期のインフレ率が3%程度と言われていますので、かなり高い目標設定だと言えます。インフレになると物価が上がります。バブル時の日本列島はアメリカ全土が4個買えるくらいまで値上がりしていましたので、まさに異常でした。今の状態からその様な状態になると何がリスクなのかと言うと、何もしなかった場合デフレ時に形成した資産があっという間に目減りしてしまうのです。アベノミクスによる景気刺激策は冒頭でも述べましたがかなり急速な反応を示しています、私達も市場のスピードに負けない様にインフレリスクを検討する必要があります。


外貨預金と外国為替証拠金取引

さて、一般的に外貨投資は外貨預金と外国為替証拠金取引の二通りがあります。外貨預金は対顧客相場の為替レートが適用される為、預け入れる時には外国為替証拠金取引で使用されているインターバンク時市場の為替レートよりも少し条件が悪くなります。そういった手数料が高い為、短期間で売買を行いたい方には外貨預金は向きません。基本的に通貨交換の効率を見てみるとインターバンク市場の為替レートが適用される外国為替証拠金取引の方が手数料・スプレッド共に有利となっております。この外国為替証拠金取引は銀行に行かずともパソコンやスマートフォンで自分の資産状況がリアルタイムで管理できますし、任意のタイミングで外貨を買う事ができ非常に人気が高くなっています。外国為替相場を見てみても、2012年に歴史的な円高でドル円は過去最安値を更新した後に日銀の異次元の金融緩和により強い円安トレンドに入りました。当分ゼロ金利政策は続くと思われますので。ここで円を売って金利の高い外貨を買う事でキャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙おうと言う人が多い様です。短期売買のみならず長期保有が目的の方も参加者としては多い様です。


日本はデフレを脱却できるか?

さて、色々と外貨投資についてご紹介してきましたがそもそも日本は20年続いたデフレ経済から脱却できるのでしょうか。異次元の金融緩和により超円高の修正はかなり進んだ様に見えますが、アナリストの中には金融危機で積もり積もっていた円買いのポジションの解消が進んだに過ぎないという意見も多い様です。2014年末まで日銀が市中銀行より国債を買い取って市場に円を供給するわけですがかなり目いっぱいの金融緩和をしており、その後も効果が続くかどうかは懐疑的です。この円安により企業の利益が上がり、従業員の所得が増え。個人消費が上がり、企業はさらに設備投資をすると言う好景気のサイクルが回って行かないとデフレは脱却できません。外貨投資をするにあたってもこういったファンダメンタルズがどう変化しているのかは自分で情報を集められる様にしておきましょう。

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