台風一過の晴天、とはいかないようですが、株式市場も北朝鮮問題などが取りざたされて冴えない展開になっています。ただ、実際には北朝鮮というよりは世界的な金余りからの変調ということもあるのではないかと思います。「まだはもうなり、もうはまだなり」ということもあり、欧米の利上げの影響も考えておいてもいいのだと思います。
米国の利上げも素直に円安となればいいのですが、今回の利上げが素直に金利高につながらなかったことが気なるところです。米国債くらいしか投資先がないということで金利上昇=債券が売られることがなかったのだとすれば、世界的なリスク許容度が低下しているということも考えられます。ここは愚直に好業績銘柄や高配当、好優待銘柄の底堅さが確認されたものをしっかりと拾うということでいいのではないかと思います。
米国市場が休場となるなかで欧州市場は冴えない展開になりました。これまでの世界的な金余りからの変調も見られそうで、ここからは欧米市場でも利上げの影響が取りざたされてくる可能性もあり、波乱含みということだと思います。本日の日本市場も為替次第ということになるのでしょうが、方向感に乏しい展開になりそうです。夜間取引の日経平均先物がしっかりとしていることから売り急ぐこともないのでしょうが、買い上がる材料もなく、手仕舞い売りが嵩むと軟調となることもありそうです。
引き続き2万円の攻防ということになるのでしょう。昨日は2万円をキープしたということで安心感もありますが、北朝鮮問題が「リスク」と考えるのであればリスクが遠のいたわけでもなく、買えない材料となりそうです。買えないということで手仕舞い売りが嵩むといったん調整となってくるのでしょう。
本日の投資戦略
昨日は北朝鮮問題で売られたということですが、実際は月曜日に本来売られる分が「月初の買い」で堅調であったことから売り直されたということだと思います。依然として円安などを背景に強気な向きも多いようですが、積極的に買い上がる材料とすれば円安ということしかなく、円安での業績好転を織り込んで買われているものが多いということであれば円安となっても上値は重いということなのだと思います。
米国でハイテク銘柄などが買われて指数を押し上げ、日本でも追随するように円安を好感してハイテク銘柄などが上昇することで指数を押し上げていたのだとすれば、円安をすでに織り込んでいるということでもあり、今度は米国でドル高を懸念する動きが出るとか、欧米での利上げを懸念して世界的な金余りから世界的にリスク許容度が低下するということになると欧米の利上げが円高ということになる可能性もありそうで、ここからは買い難いと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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