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またもや資源高騰がやってきた

リーマンショックの後、資源の国際価格は大きく下げましたが、その後、新興国の勢いに乗って、急速に資源価格が上昇してきました。しかしながら、世界経済をけん引するとみられた中国には陰りが見え、インドの勢いも落ち着き、鉄鉱石価格などは再び下落しています。一方で、最近のイラク情勢により、国際市場では原油価格が上昇してきており、日本国内への影響が広がっています。アメリカで沸騰しているシェールガス・シェールオイルの開発に大きな期待が寄せられていますが、今のところ、日本における資源価格に大きな影響は出ていないように見えます。身近ではガソリン価格の上昇が続いており、2014年7月7日のレギュラーガソリン1リットル当たりの価格は169.7円と11週連続で上昇しています。家計への負担を考えると頭の痛い問題ですが、この資源、特に石油価格の上昇を1つのチャンスととらえて、投資を検討してみるのも面白いのではないでしょうか。過去の資源価格高騰の際にはコマツや日立建機など、建機メーカーが盛り上がりましたが、石油という視点から銘柄をピックアップしてみたいと思います。

国際石油開発帝石

国際石油開発帝石といえば、次に挙げる石油資源開発とともに、日本を代表する大企業です。石油・ガスの資源開発では日本国内で最大手ですが、世界では中堅クラスに位置します。日本政府(経済産業大臣)が筆頭株主でもあることで有名です。世界20か国以上で70以上ものプロジェクトを展開しており、石油価格やガス価格に大きく影響を受ける銘柄と言えます。自己資本比率は70%近くあり、PBRも0.8倍と1倍を割れている状況(2014年7月14日現在)で株式指標からみれば割安銘柄と言えるでしょう。株価はリーマンショック前には1株3,500円を付ける場面もありましたが、リーマンショック後に大きく下がっており、今では1,500円で落ち着いています。

石油資源開発

先に挙げた国際石油開発帝石と比べるとその規模は大幅に縮小しますが、国際石油開発帝石と同様、日本政府(経済産業大臣)が大株主となっている石油天然ガス開発企業です。新潟・秋田での天然ガス田に頼っているところがありますが、2011年5月に発表された新中期事業計画では、E&P(石油天然ガスの炭鉱・開発・生産)事業、国内天然ガス事業、環境・新技術事業を3本柱として事業を拡大していくとともに、海外へのシフトを図っていくことが盛り込まれています。株価はやはりリーマンショック後に急落をしており、その後、少しずつ戻しては来ていますが、今は4,000円前後で落ち着いています。PER8.38倍、PBR0.54倍(2014年7月14日現在)と国際石油開発帝石よりも割安です。

三井物産

三菱商事とともに大手総合商社の双璧をなす企業です。鉄鉱石、石油の生産権益量では商社ダントツとなっていますが、このことが資源関連銘柄とみられる原因ともなっています。業績が好調である割には、この資源関連銘柄という見方が足を引っ張り、株価もしばらく低迷しておりました。しかし、投資家による固定観念を打破するべく、資源安でも稼げる企業をめざし、脱皮を図るとともに株主還元政策も積極的に打ち出してきました。圧倒的な生産権益を持つことで価格競争力を付け、資源価格が安い時でもそれなりの利益を確保し、資源価格が上昇した時には大きく稼ぐということを狙っているようです。また、資源分野では採掘にとどまらず素材加工、流通、再利用まで一貫して取り組むことを目指しています。