中国のシンクタンク「全球化智庫」とネット旅行会社「携程旅行網」が合同して『出入国旅行者から見る中国の世界的発展』と題するレポートを発表した。

全球化智庫(2008年設立・北京)は、世界的視野で国際問題を研究、献言する先進的シンクタンク、携程旅行網(1999年設立・上海)はネット旅行最大手、2016年の売上192億元(約3200億円)従業員2万5000人を誇っている。

データ元としては信頼できるチームである。そこにはどんな分析が示されているのだろうか。

出国旅行者は3倍に

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(写真=PIXTA)

データの収集期間は2005年~2015年までである。この間、中国大陸住民の出国者数は312.9%、3倍以上に増加した。2016年には中国大陸出国旅客の占める割合は、世界の10%近くに上昇している。

さらに世界各国が歓迎しているのは、中国人観光客の消費支出である。2016年、中国大陸からの出国旅客の国外消費総額は、2610億ドルに達している。これは米国旅客消費総額の2倍であり、世界の旅行消費総額の20.9%を占めている。

米国のある研究によると、2014年の中国人の平均旅行支出は、一人当たりGDPが7倍の英国人と同じであった。翌2015年には、一人当たりGDP10倍のデンマークと同じであった。

中国人観光客、南極、北極でも存在感