ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント(GSAM)のミューチュアル・ファンド(自由運用型投資信託)解約総額が、2017年だけでも267億ドル(約3兆475億円)に達していることが メディアの報道から分わかった。
GSAMは2016年以降収益が7%、利益が17%に落ちこむなど苦戦が目立ち、投資家間で不安感と焦燥感が広がったものと思われる。
ファイナンシャル・タイムズ紙「世界一売上の悪いファンド・マネージャー」
投資情報企業、モーニングスターのデータを基づき、GSAMの投資信託流出を最初に報じたファイナンシャル・タイムズ紙 は「2017年、世界で最も売上の悪いファンド・マネージャー」と評した。
GSAMに次いで引きだし額の多かったフェデレーテッド・インベスターズ の、約2倍の額に相当する。
ゴールドマンは事業の多様化を目指し、過去数年にわたり資産運用業務の拡大を試みているが、期待通りの成果をあげていないどころか裏目にでている印象がぬぐえない。昨年の不調は今年に入ってからも続いており、第1四半期の収益は前四半期比7%減となった。
2012年と比較すると運用資産自体は 4150億ドル(約47兆4179億円)増え、1兆3800億ドル(約157兆6788億円)に達しているものの、第1四半期だけに焦点を当てると60億ドル(約685兆5600億円)減っている。投資家がしびれをきらし、さらなる資産の引きだしに走るのも無理はないかと思われる(ファイナンシャル・タイムズ紙調査)。
GSAMは「投資家の関心が現金の代用となる短期投資商品に向いている」ことが、主な流出の要因と見ており、マネー・マーケット・ファンド(即日購入・解約できる短期証券などへの投資)以外の投資信託は好調である点を強調している。