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投資に不向きで貯蓄を好むと言われてきた日本人ですが、ここ最近その風向きが変わってきました。きっかけは大きく分けて2つあります。1つは2012年末からのいわゆる「アベノミクス相場」による株価の上昇と円安の進行、もう1つは2013年秋から申し込みが始まり2014年に正式にスタートを切ったNISA(少額投資非課税制度)でしょう。とは言え、これまで「お金は汗水流して稼ぐもの」という信念のもと生活していた多くの日本人にとって、投資は未知の世界です。そもそも、投資と言っても何から始めていいのか分からないというのが実情でしょう。そこで今回はみなさんに、私が主な投資手段としている外貨投資についてお話しします。


外貨投資を始めるなら今

今為替市場は、特にドルに対してかなり分かりやすい円安傾向にあります。アメリカは金融緩和の縮小方向へ向かい、日本は金融緩和政策を継続しているからです。投資に絶対はありませんが、外貨投資を始めるには絶好の時期ではないでしょうか。


なぜ外貨投資なのか

数ある投資の中でなぜ私が外貨投資をおすすめするのか、最初にその理由をお話しします。それ理由とは、対象の分かりやすさです。ここで株式投資と比較してみましょう。一口に「株を買う」と言っても、東京証券取引所に上場している企業だけでも3000社以上あるのです。メジャーな企業が多く集まる「東証一部」だけでも1784社です。一体どうやって選びますか?まずは、安定性を重視する、成長性を買う、一発逆転を狙うなど方向性を決める必要があります。そして確実に利益を積み重ねるには、銘柄研究が欠かせません。投資したい一社を研究するだけでなく、同業の会社、業界全体の動向も把握する必要があります。これは非常に手間のかかる作業でしょう。一方の外貨投資はというと、通貨の数こそ多いですが、気軽に取引できる通貨数は限られています。これは取引を仲介する会社によって違いがありますが、多くでも20通貨、最低でもドルと円の動向さえ確認しておけば利益を積み重ねることができます。

また、株式の場合は資金繰りの悪化、不祥事等により会社が倒産し、価値がなくなってしまうことがありますが、通貨でそれが起こることはまずありません。発行体が各国の中央銀行であるため、価値が国家によって保証されています。それでも絶対安全ということはありませんが、仮に通貨が無価値になるような事態が起こるときには、株のほうがよほど大きな打撃を受けていることでしょう。


2013年の為替相場(主にドルと円)

冒頭でも触れましたが、2012年末からの相場は、過去の相場と比べても驚きの多い展開となりました。大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間の力を高める成長戦略の「三本の矢」からなるいわゆる「アベノミクス政策」は国内外に大きな衝撃を与えました。民主党政権下で1ドル77円をつけるほど円高が進行していたドル円相場は、衆議院解散、総選挙、安部首相就任を経て急激に円安が進みます。そしてその流れは、新たに日銀総裁に就任した黒田氏の「異次元緩和」によって決定的なものになりました。2年で市中に出回るお金の量を2倍にするという大胆な金融緩和は市場に大きな衝撃を与え、5月には4年ぶり1ドル100円台を記録します。その後1ドル100円を下回るような調整もありましたが全体としては円安トレンドが継続し、年末には1ドル105円まで到達しました。2014年も日米の金融政策の違いから基本的にはドル高円安が続くという見方が大勢を占めています。


外貨投資の手段

予想しやすい相場状況は、投資する側にとっては大きなチャンスです。このチャンスを逃す手はないのですが、それではどうやって外貨投資をしたらいいのでしょうか。外貨投資する手段は主に2つ。外貨預金とFX(外国為替証拠金取引)です。 外貨預金は普通の銀行預金と同じ感覚ですることができます。例えば100万円分のドル建て外貨預金をする場合、預ける際に100万円分のドルを買い、一定の期間の後再度円に換金して帰ってくるという形になります。金利分に加え、この間に円安が進行していればその差益も自らの懐に入ることになります。

FXは、FXを取り扱っている会社に口座を開き、一定の資金を預けることで取引を始めることができます。外貨預金と違うのは、レバレッジという仕組みによって手持ちの資金よりも多くの額を動かし取引することができることと、買いでも売りでも利益を上げることができる点です。 また最近は、外貨預金に似た外貨MMFと呼ばれる投資手段も注目を集めています。この手法は円安局面で有効で、FXほどのハイリターンは期待できないものの、安定した金利収入を目的とする場合は検討の価値があります。


外貨投資のリスク

ここまでは外貨投資の良い点ばかりを書いてきましたが、リスクのない投資は存在せず、それは外貨投資においても同じことです。外貨投資におけるリスクといえば、為替変動リスクです。これは自分の想定したのとは違う方向に相場が変動した場合に発生するものです。外貨預金や外貨MMFであれば円高方向に、FXであれば取ったポジション次第でどちらもリスクになり得ます。FXはレバレッジをかけた投資ですので、損失の度合いも他と比べて多くなります。どの手段で投資するにしても、銀行やアナリストの意見をうのみにするのではなくて、自分で判断して投資先の選定をするようにしましょう。人の意見を聞いて投資をして損しても、だれも補償してくれないのです。

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