資産動向調査会社ウェルスXが「超富裕層」と呼ばれる純資産額3000万ドル(約34億2810万円)以上のお金持ちの多い国について調査したところ、1位は米国だった。日本はなんと2位で、成長著しい中国が3位だった。日本の超富裕層1万6470人、前年比で14.7%も増えている。
この調査はウェルスXが、世界30カ国・地域のUHNWの数と総純資産額を比較、ランク付けしたものだ。
純資産額34億円以上のお金持ちが多い20カ国・地域
20位 オーストラリア 2570人 2.5%増
19位 サウジアラビア 2640人 0.4%減
18位 スウェーデン 2660人 4.3%増
17位 オランダ 2860人 4.4%増
16位 台湾 3000人 2.0%増
15位 スペイン 3190人 3.2%増
14位 ブラジル 3570人 1.1%減
13位 ロシア 3780人 6.2%減
12位 韓国 4230人 1.7%増
11位 インド 4510人 8.9%増
10位 イタリア 5530人 1.8%増
9位 スイス 5940人 0.5%減
8位 香港 7650人 4.1%増
7位 カナダ 8590人 1.5%減
6位 フランス 8630人 2.7%増
5位 英国 8860人 14.2減
4位 ドイツ 1万3420人 4.5%増
3位 中国 1万6040人 3.6%増
2位 日本 1万6470人 14.7%増
1位 米国 7万3110人 6.7%増
人口の増加速度が超富裕層の増加速度を上回った2016年
世界の総純資産額は27兆ドル(約3085兆2900億円)、超富裕層は22万6450人。急降下を見せた前年から超富裕層数は3.5%増という結果だった。
しかし個人平均資産額が2013年以来初めて減ったということは、「人口の増加速度が超富裕層の増加速度を上回った」ということになる。
対象7地域のうち超富裕層の増加が見られたのは、北米、アジア、太平洋。欧州、中近東、南米・カリブ、アフリカでは人数、純資産総額ともに落ちこんだ。
総体的には現在も北米が圧倒的で、世界の36%に値する8万1700人が総額9兆6330億ドル(約1101兆1482億円)を保有している。純資産額の増加率も5.1%とアジアを引き離した。
北米の規模にはかなわないとはいえ、アジアにおける超富裕層数は最大の伸びを記録し、世界の超富裕層数の26%に値する5万9850人(6.6%増)に成長。純資産総額は6兆7730億ドル(約774兆1539億円/3.5%増)になった。
日本のほか、インドやインドネシアで超富裕層が急増
その中でも日本は類まれな飛躍を遂げており、世界2位、アジア1位の超富裕層となった。純資産総額も前年比13.8%と飛ぶ鳥落とす勢いだ。次いでインド、インドネシアなどでも超富裕層が拡大した。
逆に超富裕層が大きく減ったのは英国やメキシコで、いずれも10%以上の減少が見られる。
ウェルスXは為替レートの変動を、超富裕層や資産の増減の要因として挙げている。円やドルなど昨年通貨が強かった国の個人資産は増え、ポンドの価値が大幅に下がった英国などは個人資産が縮小された。
主要5カ国(米国・英国・日本・中国・ドイツ)の超富裕層数は55%、純資産総額は世界の57%を占めるというから驚きだ。超富裕層は今後も成長を続け、2021年には29万9000人、35兆7000億ドル(約408兆867億円)に届くと予想されている。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)