最近、日本では「一流」と言われてきた企業の凋落ぶりが目につく。東芝やシャープなど、いずれも世界的にも評価の高い企業だった。それが今日のような経営難に陥った要因として、「社内が派閥争いに目を奪われているうちに、市場の変化に追いつけなくなった」ということが、世間ではまことしやかにささやかれている。
GEでは派閥争いが起きない 139年の歴史でCEOはわずか10名
ところで2017年6月、世界でも有数のコングロマリット(複合事業企業)であるゼネラル・エレクトリック社(以下、GE)のトップが16年ぶりに世代交代することが発表された。
現CEO(最高経営責任者)のジェフ・イメルト氏に代わり、8月に就任が予定されている新CEOのジョン・フラナリー氏は55歳。フラナリー氏はアジアでの経験も豊富と言われており、日本でも好感を持って受け止められている。
GEは、あの発明王・エジソンを始祖とした名門企業だ。同社の139年の歴史の中で、これまでCEOに就任したのはわずか10人で、その平均在籍期間は14年ほどだ。通常、1人の人間が10年以上も会社の代表を務めていれば、社内が後継者争いや権力闘争に陥ってもおかしくはない。しかしこれまでのところ、GEでそのような話は聞かない。なぜ、同社には派閥争いが起きないのだろうか。