新聞やTV番組などで銀行カードローンの融資が過剰だと問題視されている。総量規制の対象外であるカードローンは、銀行にとっては貴重な収益源で、融資量は拡大の一途をたどってきた。しかしここにきて、銀行が自主規制をし始めている。自主規制によって余った銀行のマネーはどこへ向かうのだろうか。

総量規制導入で伸びた銀行カードローン 「過剰融資」と社会問題化

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(写真=Teerawit Chankowet/Shutterstock.com)

2010年、改正貸金業法施行に伴い、消費者金融などの貸金業者からの借入は総額で年収の3分の1を超えることができない総量規制が適用された。いわゆる総量規制だ。

しかし銀行カードローンはこの対象外となり、ここからカードローンの融資額は増加。2011年には消費者金融を逆転、2016年末は5兆4377億円で、改正貸金業法施行以前の2011年3月末比で65%もの増加となった。

こうした中で、銀行カードローンの過剰融資が社会問題として指摘されるようになった。

日弁連は2016年9月、金融庁などに提出した「銀行等による過剰貸付の防止を求める意見書」で、(1)銀行カードローンの保証を行う保証会社は消費者金融であることを鑑みれば、銀行カードローンは消費者金融の迂回融資といえ、改正貸金業法の趣旨が棄損されている。(2)貸金業者が保証を行う銀行カードローンにおいても総量規制と同等の規制を行うべき――と指摘した。

この頃からメディアでも銀行カードローンの過剰融資が取り扱われるようになり、“過剰融資”として社会問題として広く認知されるようになった。

大手行は自主規制を強化