全国で4期以上務める多選の知事が13人に上っている。10年前は7人だっただけに、この間にほぼ2倍に増えた勘定だ。多選は政治腐敗や行政組織の硬直化を招くとして、多選自粛条例を設けた地方自治体が少なくないが、条例を提案した知事自身が約束を破って多選に踏み切る事例が出ている。

有権者の関心が高い争点は原発再稼働などに限られ、過去最低の投票率を記録する知事選挙が少なくない。各党相乗りで現職を支持する傾向が強まり、有権者の十分な選択肢を与えられないケースも増えている。

過去最高は8期、現職では6期目がトップ

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(写真=PIXTA)

全国知事会によると、全国47都道府県知事のうち、4期以上務めている知事は7月13日現在で13人を数える。このうち、6期目が橋本昌茨城県知事と谷本正憲石川県知事の2人、5期目が井戸敏三兵庫県知事1人だ。

4期目は高橋はるみ北海道知事、三村申吾青森県知事、福田富一栃木県知事、上田清司埼玉県知事、石井隆一富山県知事、西川一誠福井県知事、古田肇岐阜県知事、山田啓二京都府知事、飯泉嘉門徳島県知事、広瀬勝貞大分県知事の10人。

多選知事は10年前が7人で、2012年末に一時、2人まで減っていただけに、増加傾向が強まっている。2000年代には、片山善博鳥取県知事(当時)ら改革派と呼ばれた知事が相次いで2~3期で退任したが、そういうケースも少なくなった。

多選で在任期間が長くなれば、知事の年齢も高齢化する。現職の最高齢は広瀬大分県知事の75歳。西川福井県知事、荒井正吾奈良県知事、谷本石川県知事が72歳で続き、井戸兵庫県知事も8月に72歳を迎える。

公選制になって以降、過去の知事で最も当選回数が多いのは、奥田良三奈良県知事(在任1951~1980年)、中西陽一石川県知事(1963~1994年)の8選。それに次ぐ7選は蜷川虎三京都府知事(1950~1978年)だ。

橋本茨城県知事は8月の知事選で7期目に挑戦