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Written by 工藤崇(くどう たかし) 19記事

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年金に対するありがちな「間違い」 民間保険とどっちが効果的?

公的年金と聞くと、ネガティブな情報が多い。それほど、若者にとって公的年金といえば不透明な老後の象徴。最近はiDeCoが注目され、運用次第で多くの年金を受け取れることにメリットを感じる一方、「そこまでしなければ今の老後世代のような年金は受け取れないと暗に示唆されているのか」と懐疑的になることも多いのではないだろうか。

また、「貯蓄から投資へ」と政府や金融機関が主張していることも、後押ししているような感情を持つ。そこに対して、「30代は年金受け取ることのできない」「年金受け取りは近く現行の65歳から70歳に変わる」と不必要に煽ることもまた、年金によりネガティブな印象を与えている。

ここでは様々な局面で耳にする、年金のありがちな「間違い」について考えてみよう。

1. 若者は年金を受け取ることはできない

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

公的年金は「賦課方式」という制度を採用している。少子高齢化の影響で現在のシステムが成り立たなくなり、20年後や30年後、現在の現役世代が高齢者になる頃には「年金を貰うことができなくなるのではないか」という意見は根強い。

結論からいえば、将来年金制度に手を加えられることがあったとしても、65歳から受給年齢として保険料を払っている被保険者が、ある日、突然70歳からに変わることはない。それを世論が許すことはないと考えるのが自然だ。具体的な例として、たとえば民間企業の個人年金でこういう処置をとれば、どれだけ約款による免責要件を整えていたとしても訴訟リスクがあるだろう。

これまでも報酬比例部分があったように、この席に年金制度改正があった場合も、長い期間にわたり現行の制度で納めてきた世代は救済されて当然だ。この部分はメディアも過剰に煽りたい部分だが、現実的にはまず考えられないだろう。

2. 公的年金より民間保険に入っていた方が効果的だ

会社員の場合、毎月3万円以上の保険料を払って、「いったい意味があるのか」という思うこともあるだろう。ただ、公的年金には本来の個人年金としての保障内容、障害年金や遺族年金といった「まさか」の際の支援策がある。

FPとして時折聞かれるのは、この公的な支援策を民間の生命保険でカバーするとどれくらいの保険料が想定されるかということ。毎月の給料を手取りで捉えている人は、本来数万円多く貰えている給料が「自動的に」年金保険料に納付している分を、自分の意思で民間保険を納めるということになる。

これは多くの専門家が試算しているが、民間の個人年金の返戻率110%~120%に対して、国民年金の返戻率は190%前後。およそ1.5倍にも達する。そのうえで付加保険料がなく障害年金と遺族年金の保障内容があるため、その効果差は大きいものだ。仮に公的年金が民間保険として販売された場合は瞬く間に完売するだろう。

とはいっても、それが義務化されているというのは、保険料の安さとは異なるものでもある。毎月の苦しい財政状況のなかで年金を納めた人は可能な限り、年金支給というかたちでフォローしなければならない。

方策のひとつとして2017年8月より、それまで25年保険料を納めなければ受け取れなかった年金保険料を10年以上の納付で受け取れる年金改正案が施行される。このように世代層の変化を受けて年金制度も次々と変わっていくことだろう。年金制度に不信不満を持つことのほかに、たとえば選挙の投票などで意思表示をしていくことも大切ではないだろうか。

3. 最新の情報にもとづいて考察する

この25年→10年の話に代表されるのが、「最新の情報にもとづいて」考察することの大切さだ。書籍や雑誌はともなく、いわゆるインターネットメディアに年金関係の記事が掲載されるようになって時間が経過している。記事のなかには自発的に修正されているものも多いが、そのままになっているものも多い。

受け手としては、その記事がどれほど前に発信されたのかはもちろん、今回の納付期間のように「その後、改正や修正がされてはいないか」を認識することが大切。年金のなかで自分たちに関わる部分のニュースには可能な限り、アンテナを張っているようにしたい。

また、FPや社労士によるブログやSNSの情報発信をキャッチして、最新の情報を得ることが大切。そうすることで、既に最新ではない古い情報で年金制度を論じることがなくなる。それは若者自身が年金制度を考えるときに、とても大切なことだ。

様々な情報のなかで不安を募るだけではなく、自身にはどのような年金環境が予想されるのか、ある意味では客観的な視点で認識するようにしたい。それが年金制度と向き合ううえで、増してや毎月の年金保険料を納めるうえで、効果的なリスクヘッジとなるだろう。

工藤 崇
FP-MYS代表取締役社長兼CEO。ファイナンシャルプランニングFPを通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点Finolabフィノラボ入居。執筆実績多数。

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