photo credit: kenteegardin via photopin cc
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平成24年12月に安倍政権が発足してから10カ月が経ちました。 デフレ脱却をテーマに掲げた経済政策「アベノミクス」は市場にインパクトを与え日経平均株価は上昇、また為替も連動し円安に大きくシフトしています。 民主党時代2012年9月の時点で78円台であったドル円相場は安倍晋三の「アベノミクス」発言でこの時既に円安に動き始めることになります。

そして2013年11月1日現在98円台を維持しています。 景気は踊り場を迎えていますが企業の決算内容も少し不安要素が広がってきました。 昨年からの為替の動きを踏まえ、TPP・消費税増税を踏まえ為替は今後どのような動きになっていくのか、併せて富裕層視点の為替相場に対するアクションプランについても考えてみたいと思います。

アベノミクス効果で現在も円安に推移している為替相場

①アベノミクスで円安になったワケ

アベノミクスと為替の関係性について考えてみたいと思います。 為替が円安に大きく動いた要因は日本銀行の大胆な金融緩和策「異次元金融緩和」によるものです。 資金供給量(マネタリーベース)を2年間で2倍に拡大する事を発表し全世界の金融関係者を驚かせました。 世界の基軸通貨と呼ばれる三大通貨は「ドル」「ユーロ」「円」です。

「ドル」「ユーロ」は既に相当な金融緩和を行っており、円は標的となりあらゆる通貨ペアで円高が進行している状態でした。 世界で自国通貨安を誘導する意味は輸出における市場競争力を高める目的があります。 そして日本は「デフレ克服」という大義名分を掲げ見事に円安誘導に成功しました。 円安競争は現在先進国の主軸テーマとなり途上国イジメと言われていますが、ドイツなどはユーロ安で相当な恩恵を受けているとされています。 BRICsのブラジルなどは「マネーの津波」と表現し先進国から新興国への資金の流れが逆流することを恐れているのです。

②アベノミクスで儲かった人達

この急激な円安への巻き戻りに連動し株価も輸出産業や銀行を中心に右肩上がりに上昇していきました。 株参加者を急増させた結果、昨年末から今年春までに資産を急増させる人が続出します。 現在も尚、日銀は「無期限金融緩和」の継続を発表しています。 ノーベル経済学者シラー教授はアベノミクスで好調な日本株についてこう言及しています。

「資産の半分以上を銀行で保有する日本人のアニマル・スピリッツ(野心的意欲)を活性化させた意義は大きい。」

資産の流動化という観点から言うとアベノミクスは成功であったといえます。 その莫大な儲けを出した投資家の今は一体どうなっているのでしょうか? 株式投資でアベノミクス効果により資産1億から13億にしたメディアにも出演され一躍有名になった個人投資家、その資産推移を見ると気付く点があります。 2012年9月から増え続けてきた資産が、2013年の6月から大きく損失を抱えるパターンに変化してきているのです。

ちなみに損失は拡大し現在は資産13億→3億円台で推移しています。 そのターニングポイントの6月というのは安倍首相がアベノミクスの第三の矢を発表した時期です。 具体的な経済政策について効果がないと市場に判断されることになったのです。

ここが「期待」→「現実不安」へ変化したシグナルです。 為替はこの時94円台まで円高になっています。

③アベノミクス危険のシグナルとは

アベノミクスの期待が高まり経済は回復の様相を見せていますが、その一方でTPPや消費税増税などマイナスに影響をする経済政策も推し勧められてきました。 ですが企業の実情は内部留保を厚くしボーナスアップに反映しているにも関わらずに肝心の賃上げや設備投資には消極的です。 これは経済政策や先行きを不安視してるシグナルだと捉える事が出来ます。

物価も円安の影響で上昇していますが商品が未だに売れませんのでデフレが克服されたとも言えません。 大手外食や大手居酒屋チェーンなどは軒並み大幅減益となっています。 このまま円安・株高が続いたとしても実体経済が伴わない場合は、物価高と給料安のスタグフレーションに陥る可能性もあります。 若者の雇用対策についても無策といえます、若者がお金を使わないワークスタイルに定着してきています。

このまま円安を維持できるのか?輸出産業頼みで日本景気は牽引されていくのか気になるところです。 そこで日本以上に財政破綻懸念の話題が広がっているアメリカの問題がクローズアップされてきます。 財政不安を抱えるオバマ政権のアメリカは輸出企業への期待込めたドル安誘導をしてくると思われます。 ドルの価値を上げれば国内は失業者で溢れることになってしまうからです。

アメリカのドル安誘導、つまりはドル円は今後円高に向かうのではないかという見解のエコノミストが多いのです。 為替は前回の経済発表の期待が剥がれおちた94円台、ここがターニングポイントになると思っています。

富裕層が注目したい経済政策と為替動向

富裕層が最も影響を受けるとされる経済政策は所得税や相続税ですが、現政権で減税の方針は示されていません。 タックスヘイブンで香港やシンガポールなどに移住された富裕層も多いですが、今日本に戻ってきている方が多いと聞きます。 国税庁がタックスヘイブンに財産を持つ日本人リストを入手したという報道もありました。 5千万円を超える国外財産を有する者は国外財産調書を提出しなければならないという国外財産調書制度が創設されました。

富裕層のタックスヘイブンを徹底的に監視し禁止しようという動きです。 円安になるという事は円の価値を下落させることですから外貨に換え保有する手段は今もこれからも有効な手段です。 米ドルよりも地政学的なリスクの少ない豪ドルなどにシフトした方が長期的な目で行けば安心かもしれません。 但し豪ドルも金利が縮小しており長期的なメリットが少なくなってきています。

さらに日本の経済政策が実体経済に悪影響を与え為替は円高にシフトするのではないかという懸念があります。 消費税増税についてもアルバート・アレシナ教授の言葉を借りれば、 アレシナの黄金律「社会保障や福祉の削減に取り組むことを避ける財政再建(増税)は失敗する運命にある」 アベノミクスのスタートダッシュ成功後にわざわざ目の前にハードルとなる障害を並べてしまったという印象です。

来年の春、消費税増税で流れが180度変わることになるかもしれません。 外国に拠点を移し円を保有する、何か矛盾しているようにも思いますが中期的にはこれが最も安全な方法かもしれませんね。 (ZUU online 編集部)

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