筆者は現在、金融の専門家とタッグを組んでマネースクールを開講している。同じお金のセミナーであっても、「マネーレコーディング」と告知した途端に、反応が鈍くなる。

マネーレコーディングとは、簡単に言ってしまうと「家計簿」のことだ。家計簿と聞くと、「主婦がレシートと電卓を付け合わせてやるもの」だという非常に地味なイメージをお持ちの方も多いかもしれない。

しかし、実は、マネーレコーディングこそ「投資を行う上での最初の一歩」なのだということを、あなたはご存じだろうか?

「お金を稼げばうまくいく」という勘違い

マネーレコ―ディング
(写真=PIXTA)

投資に関する相談の中で、多く寄せられるもののひとつが「資金がない」という悩みである。投資を行うためには原資が必要である。その原資をつくるためにはお金を貯めなければならないが、貯めるためには収支の現状を把握することが必須となってくる。

お金を貯められない人に限って、「お金を稼げば元手をつくれる」と勘違いしている人が多い。しかし、それは例外的に稼ぐ能力がある場合に限ることであって、多くの方にとっては、いくらたくさん稼いだところで、稼いだ先から使ってしまっては元も子もない。もし、バケツに穴が開いていたら、まずはそこを塞がない限り、せっかく水を汲んでも穴から流れていってしまうだけである。

「稼ぐ」と「殖やす」は自分のコントロール下にはない