なぜかお金が貯まらない。そう言ってファイナンシャルプランナーである私のところに相談に来る人の中には、年収が1000万円を超えることも珍しくない。お金が貯まる人になるためにオススメできる本を紹介しよう。今回は貧農に生まれながら苦学して東大助教授になり、のちに巨万の富を築いた故・本田静六氏(1866-1952)が書いた本『私の財産告白』だ。

「四分の一天引き貯金法」を実践

書評
(画像=Webサイトより)

『私の財産告白』(本多静六著、 実業之日本社、514円=文庫版、税込み)

本田静六氏は25歳という若さで家族9人の暮らしを支えることになったため、職業柄ある程度の収入を得ていても貯蓄ができない。そこで、収入の四分の一を強制的に先取り貯蓄する「四分の一天引き貯金法」を思いつき実践することにした。

月給など固定収入の四分の一と、賞与など臨時収入の全額を貯蓄するという方法だ。例えば月給が20万円なら、その四分の一の5万円と残業代の全額を貯蓄にまわすというイメージだろう。これは、ドイツ留学時に指導を受けた教授から、「独立生活ができるくらいの財産を築けなければ、常にお金のために自由を制せられることになる」と戒められたことが教訓になっている。本業の他にアルバイトもして増えたお金を元手にし、有利な事業に堅実に投資することで巨万の富を築いている。

この本をオススメする理由は二つある。一つ目は誰でもできる方法でお金を貯めることをシステム化し、紹介していることだ。住宅ローンや教育費などもあり、収入の四分の一を貯蓄にまわすのは至難の業。だが、一定の金額を先取り貯蓄することで知らぬ間に貯めグセがつき、残ったお金でやりくりする習慣が自然と身につくことは利点だろう。一般的に貯蓄がしやすい時期と言われている、独身時代・子どもができるまでの夫婦ふたりの時期・子どもの独立後ならチャレンジしやすいかもしれない。

もう一つは、感情ではなく理性でお金と向き合ってた、その姿勢が伝わってくることだ。例えば、「好景気、楽観時代は思い切った勤倹貯蓄」をし、「不景気、悲観時代には思い切った投資」をしているところだ。これは安い時に買って高い時に売るためのセオリーだが、一般的に景気が良くなり株価が高くなると投資をしないと損する気になり、景気が悪くなってくると怖くなって持っている金融商品を手放してしまう傾向にある。また、儲け話や人のお金をアテにして寄ってくる人との付き合い方などについても解説している。

「四分の一貯金法」は、実は2500年も昔にお釈迦さまが御経の中で説いている方法でもある。昔の人のお知恵を借りて、しっかり基本を身につけておこう。

辻本 ゆか(CFP) おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得ることは、人生を豊かにすると知る。43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。結婚を機に奈良に転居し、現在は独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。 FP Cafe 登録パートナー

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