今日は世界の通貨が取引されている外国為替市場とはどんな所なのかご紹介していきたいと思います。 皆さんが生活する上で欠かす事のできない「お金」ですが、日本ではご存知の通り「円」が使われています。 世界各国それぞれ自国の通貨や、共通の通貨を人々が使う事で経済が動いているのです。その仕組みを少し知っておくだけで、投資をする・しないにかかわらず世界が違って見えると思いますよ。 記事を読んで頂き、外国為替市場を少しでも身近に感じて頂ければ幸いです。


外国為替市場の定義

外国為替市場を端的に表すと「様々な国の通貨が交換(取引)できる場所」です。
但し、市場と言っても物理的な建物は存在しておらず、銀行やブローカー等がお互いに取引をする「インターバンク市場」と、銀行が企業・個人を相手に取引をする「対顧客市場」の2つを合わせたネットワーク全体の事を外国為替市場と呼んでいます。
外国為替市場は全世界でつながっており、各国の取引時間をリレーの様につなげる事で24時間取引が出来るようになっているのです。
外国為替市場で取引される金額は1日におよそ300兆円を超える世界最大の市場です。規模が巨大すぎて株売買の様なインサイダー取引や仕手株の様な値の吊り上げは不可能で、極めて公正度の高い市場だと言えるでしょう。

①為替取引の定義
さて、そもそも為替取引とはどういう状態を表しているのでしょうか。
その定義は「現金を移動させることなく決済をする事」と表せる事が出来ます。身近に感じる物としては銀行振り込みなどがこれに当たり、普段気付かない所で私達は為替取引を行っているのです。
国内で完結する物を内国為替、外貨と交換が必要な物を外国為替と言います。外国為替取引の特徴的な点として、異なる二つの通貨の片方を買い、もう片方は売る事で1回の取引が完結します。
基本的にどの通貨の組合せでも売買する事が出来ますが、流通量の多い通貨ほど低い手数料で売買する事が出来ます。世界の3大通貨と呼ばれるのがドル・ユーロ・円で、外国為替市場で取引される70%以上がこれらの通貨に関係した取引であると言われています。

②為替レートとは
為替相場とも言われるこの数字は2つの通貨の交換比率を示しています。
よくニュースなどでも見かけるこの数字ですが、一番身近なのがドル/円ではないかと思います。例えばドル/円が100円だったとすると100円で1ドルと交換する事が出来ると言う意味です。
為替レートが変動する理由は非常に複雑で、現在では教科書にも良く分かっていないと書かれているそうです。
基本的に二つの通貨を比較して、より金利の高い通貨の価値が上がって行く傾向がありますが、ここ最近の世界金融危機では低金利の円がリスク回避志向で歴史的な高値を記録するなど、短期的な為替レートの予測はかなり難しいという事が分かります。
為替レートを動かすプレイヤーは各国の中央銀行、機関投資家、ヘッジファンドから個人まで、さらに実需目的から投機目的までと非常に多くの参加者がいるのも外国為替市場の特徴となります。その上、為替レートの変動率は通貨や取引時間等によっても大きく異なるのも非常に興味深い点です。

③基軸通貨とは
基軸通貨という言葉は初めて聞く方もいらっしゃるのではないでしょうか。
現在の基軸通貨はアメリカドルで、その昔はイギリスの通貨ポンドでした。
そもそも何でその様な物が必要なのかというと、グローバル化が進んだ現在では世界各国の国同士が支払いの際に共通の通貨がないと非常に非効率なのです。支払い相手の通貨を調達しようとして流通量があまりに少なかったりすると、為替レートが変動してしまいビジネス上で決めた価格に影響が及んでしまいます。そこで流通量も豊富で為替レートも安定している基軸通貨を使う事でお互いの決済の流れをスムーズにする事が出来るのです。
この基軸通貨ですが、どの通貨でもなれるというわけではなく流通量が豊富で調達に困らない点、為替レートが安定している点はもちろんですが、世界的に見て経済的に発展しており、国際的な金融市場を有している事など色々な条件が必要なのです。
基軸通貨国にはその見返りとして色々な特権があります。例えば自国の通貨で世界各国に決済が可能ですので為替レートの変動に左右される事がありません。日本では輸出企業が円高により海外で得た利益を円に戻した際、利益が目減りしてしまい大変な事になりましたね。
この様に世界経済がグローバル化している現在ではビジネスをするうえで基軸通貨は切っても切れない縁なのです。


身近な外国為替市場

外国為替市場について少しご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
私達の身の回りには生活をするうえでとても便利な電化製品や車などがありますが、それらに使われている部品の多くは海外から輸入されており、製造メーカが為替レートの影響を受けながら製品として販売しているのです。海外旅行が好きな方であればさらに外国為替を身近に感じるのではないでしょうか。円高であれば旅行先の通貨をより多く交換する事が出来るのでとても得した気分になったりしますよね。
この様に、何か機会があればその時の為替レートを見ると言う事もあったりするかもしれませんが、ビジネスマンの方などは普段から見るようにしておいた方が何かと役に立つと思います。なぜならば、為替レートは世界経済を映す鏡であり重大な指標・ニュース等にはとても敏感に反応し、影響度・重大度は為替レートを見れば一目瞭然です。
この様に人と違った視点を持つ為にも外国為替市場を身近に感じられる環境の中に自分を置くと言う事をぜひトライしてみましょう。