昨日も激しい雨が降っていましたが、本当に「振れば土砂降り」という感じです。株式市場は「振れば土砂降り」という状況ではなく、日中の値幅も、そして目先的な方向も見られないような膠着感が出てきていますが、いつまで膠着ということでもないのでしょうから、そろそろちょっとしたきっかけでどちらかに大きく動くということになると思います。
ちょっとしたきっかけというのは本来であれば特に大きく世界のお金の流れを変えるようなことでもないのに、動きがなかったことで大きく動く要因となってしまうということもあります。例えば一昨年の人民元の切り下げや米国の大統領選挙とか、毎月発表されている指標でもときによっては世界的な過剰反応となることもあるのではないかと思います。だいたい、期待通りにはならないものが相場というものですから、期待せずに動き出しを待つということで良いのだと思います。
米国株高や円高一服となったことに加え、好調な決算を発表する銘柄も多いことから本日の日本市場は買い先行となりそうです。夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物も2万円を超えて来ており、堅調な展開が期待されます。ただ、市場参加者が増えないことには先んじて好決算を発表して買われたものが売られるということもありそうで、全面高ということにはならず指数の上値も限られそうです。寄り付きの買いが一巡となったあとにしっかりと買いが入るかどうかということになりそうです。
2万円を超えたところでもしっかりと買いが入るか、あるいはこれまでのように上値が重くなって手仕舞い売りを急ぐ動きになるかどうかということになりそうです。昨日のような「月初の買い」が入ると意外高になるのでしょうが、逆に上値の重さが早々と確認されると冴えない展開になりそうです。
本日の投資戦略
日本市場は2万円を挟んでの保ち合いが続いていますが、そろそろどちらかに放れそうです。好調な決算を発表するものが多いので上に抜けるという見方も強いようですが、逆にこれだけ好調な決算が発表され、期待されているなかで指数の上値が重いということになると市場参加者が全く増えていないということなのだと思います。参加者が増えないことには、「あっちを売ってこっちを買う」ということで相場全体としては盛り上がらないのだと思います。
日経平均が空売りの買い戻しや日銀の買いで値持ちが良いものだから、なかなか買えないということなのだと思います。高止まりとなっている銘柄も多いなかでさらに上値を買うということはさらに上方修正を期待するというようなことなのだと思いますが、現状の為替水準であればさらに上値を期待できるというところでもなく、米国の利上げが進むというようなわかり易い円安要因でもないと上値が重い状況は続き、上値の重さが嫌気されて一斉に手仕舞い売りに出ると、昨日のマザーズ指数のようになってしまうのではないかと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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