金融商品における「コモディティ」とは、取引される「モノ(商品)」を指す言葉です。金・銀・プラチナなどの貴金属、小麦・大豆・とうもろこしなどの穀物、原油・ガスなどのエネルギー、銅・アルミなどの非鉄金属などが投資対象となっています。これらは、世界各地にある商品先物取引所で取引されています。

金利・為替・株式の3つが相互に関連して動くことが多いのに対して、コモディティ商品は独立した動きをします。インフレ・デフレに強いと言われており、ポートフォリオに組み込むことでリスクを分散させることができます。

(写真=FabreGov/Shutterstock.com)
(写真=FabreGov/Shutterstock.com)

専業の会社に口座開設が必要な商品先物取引

個人がコモディティ取引を行うための代表的な手法の一つが、商品先物取引市場での売買です。株式が取引されるのは証券取引所ですが、コモディティ商品が取引されているのは商品取引所です。

投資家は商品取引所に加入している商品先物取引業者、または取引のできる取次商品先物取引業者に口座を開設することで取引を始めることができます。

先物取引では、将来の一定時期に受け渡しすることを前提に、現時点で決めた価格と数量で売買をします。決められた「将来の一定時期」の到来前までに、買った人は転売し、売った人は買い戻す(反対売買)ことによって、取引が終了します。

このため、売買といっても実際に小麦や原油が投資家の手元に届くわけではありません。

先物取引の初心者なら「商品ファンド」も

取引を始める際は商品の総額を用意する必要はなく、担保金として決められた少額の委託者証拠金を預けるだけでよいため、レバレッジを効かせた取引が可能です。また、証拠金には現金だけでなく、株式・債券などの有価証券を利用することもできます。

例えば手持ちの株式から配当を受け取りながら、同時に商品の取引を行うといった効率的な資産運用が可能です。ただし価格の変動が激しい市場であること、先物取引独特の細かいルールがあることなどから、一般投資家が行うには相当な知識と経験を必要とします。

先物取引にはこのほか、プロが運用する「商品ファンド」に投資するという方法もあります。先物市場を主として専門家が運用し、収益を投資家に還元する実績配当型の金融商品です。いわば、コモディティ版の投資信託と言えるでしょう。さまざまな先物商品に少額から分散投資が可能となるため、個人で行う商品先物取引と比べてリスクが低減されます。

また、商品先物取引では証拠金を上回る損が発生する可能性がありますが、商品ファンドでは投資金額を超える損失が発生することはありません。先物取引の初心者にも挑戦しやすいと言えるでしょう。

コモディティ投資の王道になりつつあるETFファンド

このほか、特定の商品価格や複数の商品価格から構成される指数に連動した運用を目指す「商品ETF(上場投資信託)」に投資するという方法もあります。東証にも30本以上が上場していて、なかには投資対象である貴金属を請求に応じて小口で現物に交換できる仕組みのものもあります。

また、金やプラチナ、銀を積み立て購入する投資方法も、よく知られている投資方法の一つです。これらの貴金属は、株式や債券とは異なり配当も利息もありませんが、実物資産のため価値がゼロになることがありません。

取り扱い機関によりますが、毎月1,000円程度からの積立が可能なため、分散投資の一環としてコツコツ貯めていくのもいいでしょう。一口にコモディティ投資といっても方法はさまざまです。自分に合った方法でポートフォリオに加えてみてはいかがでしょうか。

(提供: IFAオンライン

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