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先週のマーケット振り返り

先週の株式市場は、前週末の米株高を手掛かりに買い戻しが入り、急反発し1万5000円台を回復してスタート。その後もお盆休みで取引高が少ないながらも堅調な値動きが続きました。

この理由として、
①懸念されていたウクライナやイラクの地政学リスクが後退、為替が円安基調となった
②GDP発表が−6.8%に留まり市場の想定通りで下振れた
③年金改革の期待が相場を後押しした
などが挙げられます。以下、日を追って確認していきましょう。

8/11(月)
日経平均は352円高と大幅反発、理由としては地政学的リスクが後退し、1ドル=102円台前半まで円安が進行したことが大きいです。

8/12(火)
日経平均は小幅続伸、一時1万5200円台を回復、理由としては GDPや機械受注の発表を控えて、取引高は少なかったが、地政学リスクの後退を市場が好感したことなどが挙げられます。

8/13(水)
日経平均は3日続伸し、1万5200円台を回復、理由としては、①GDP発表が−6.8%に留まり、概ね市場の想定通りで下振れのサプライズにはならなかったこと、②年金改革の期待が相場を後押ししたことなどが挙げられます。

8/14(木
日経平均は大幅に4日続伸し、1万5300円台を回復、理由としては、お盆休みで取引高は少なかったものの、前日の米国株高を好感したことなどが挙げられます。また、同日発表の機械受注統計は予想を下回ったもののマーケットへのインパクトは限定的でした。

8/15(金)
日経平均は3円高と小幅に5日続伸、理由としては高値に警戒感を示し、調整売りも見られたが、欧米での株高が後押ししたことが挙げられます。


今週の株式相場見通し

今週のマーケット動向の注目ポイントとしては①地政学リスク②ジャクソンホール会合③GPIF改革などが挙げられます。

①に関しては、ジャクソンホール会合でのイエレン議長の発言が注目されています。ジャクソンホール会合とは米カンザスシティー地区連銀が今月21日〜23日にワイオミング州ジャクソンホールで開く経済シンポジウムのことです。これまでも金融政策における大きな変化を予見させる発言が多かったため、今回の会合も市場からの注目を集めています。

②に関しては、ウクライナ・中東の地政学リスクは依然としてマーケットを大きく変動させる要因となっています。先週は地政学リスクの後退がありましたが、今週どう動くかは注目する必要があるでしょう。

③に関しては、今月始めからGPIF改革が報じられていましたが、九月が迫り、動きが活発化してくれば市場へも大きな影響を持つでしょう。これらなどをまとめると、マーケットの相場は基本的には判断材料が乏しく、値動きが抑えられて推移しそうです。しかし、上記の三つの点で何かしらのサプライズがある可能性はありますので、上記のニュースには注意してマーケットと対峙していきましょう。


今週の注目スケジュール

8月18日(月):①米NAHB住宅市場指数
8月19日(火):百貨店売上高、②英消費者物価指数、米住宅着工件数
8月20日(水):貿易収支
8月21日(木):全国スーパー売上高、ジャクソンホール会合
8月22日(金):イエレンFRB議長講演、ドラギECB総裁講演

①米NAHB住宅価格指数とは、NAHBのメンバーの住宅建設業者に対する調査を基に作成される住宅市場の景況感指数です。この指数は住宅着工件数および建設許可件数との相関が高いとされています。

②英消費者物価指数とは、消費者物価指数とは家計及び外国人訪問者が購入する財・サービスの価格の平均的な変化を測定する指標です。英国中央銀行はこの指数を主要な操作対象としているため、この数値の目標値との乖離幅によって次回の中央銀行の動向を予想出来るため、市場では注目度が高くなっています。

③住宅着工件数とは月中に着工された新築住宅戸数のことです。この指数は米国の不動産市場の動向を表し、景気回復の指標としても見られているため、注目度は高くなっています。

④ジャクソンホール会合とは、米カンザスシティー地区連銀が今月21日〜23日にワイオミング州ジャクソンホールで開く経済シンポジウムのことです。ジャクソンホール会合は世界中の中央銀行関係者や経済政策担当者が集い、金融政策について議論する主要な舞台として知られています。昨年、前FRB議長であるバーナンキ議長が欠席しましたが、今年はイエレン議長が出席することになっており、各国の金融政策について議論されることから、市場の注目度はとりわけ高くなっています。

以上、先週の相場の振り返りと、今週のマーケットスケジュールの注目どころでした。