お盆に故郷へ帰省する人の中には、親族が他界して、初盆を迎えるケースもあるだろう。故人が年に一度、遺族のもとに帰ってくるとされるお盆だが、初盆の場合、親族のほか、故人と親交のあった人を招いて供養の行事が盛大に営まれることが多い。

初盆の案内状が届いたら、気になるのが香典の相場。ほかの人にはなかなか聞けないが、事前に知っておけば、安心して初盆を迎えることができる。

アンケート調査では「5000円から1万円」が相場

(写真=PIXTA)
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初盆の前に、その故人の葬儀で、香典としていくら包んだか記憶しているだろうか。全日本冠婚葬祭互助協会のアンケート調査では、葬儀の際の香典については、故人が親のケースでは平均約6万円を筆頭に、兄弟姉妹のケースは同約4万円、そのほかの親族では平均額は1万円台となっている。また、友人や職場関係、近所の人の場合、平均額は約5000円が相場だ。

初盆の香典については、こうした香典相場を参考にしながらも、葬儀よりは遺族に費用負担がかからないことが多いため、その点を考慮すればよいだろう。参加者の頭を悩ませる香典だが、行事にかかる費用の負担を軽減する目的も含まれるため、適切な相場を押さえておくことが重要になる。一般的に初盆の香典は5000円~1万円が相場とされる。また、故人が親や兄弟姉妹のケースでは1万円~3万円程度と、葬儀の際の香典の約半分程度が1つの目安となるだろう。

香典返しから相場を推測すると「3000円くらい」

初盆の供養に参加してくれた親族や友人、知人には香典返しを贈るのは習わしとして残り、遺族は事前に品物の手配に取り掛かる。遺族にとっては、どのような品物で、いくらのものをお返しすればよいのか、足を運んでくれた方へ失礼のないように気を使うポイントでもある。

この返礼品にも、好きな品物を選択できるカタログギフトが広がってきているが、品物でお返しをするケースもまだまだ多く残る。ギフト専門店の売れ筋商品をみると、身内や親族への返礼品としては、そうめんやカニの缶詰、洗剤など3000円前後の品が人気だ。一方、近所の方への返礼品は、洗剤、ラップの詰め合わせ、調理油など1000円前後が売れ筋となっている。

遺族は、頂いた香典の約半分から3分の1を目安として、返礼品を手渡すことが多い。裏を返せば、返礼品の値段から香典の適正な価格を推測することも可能だ。親族などで、初盆の準備を手伝う場合、返礼品のおよその値段から香典に包む額を決めることもできる。一般的な初盆の香典相場は5000円~1万円とされるが、近所の人への返礼品で人気商品の相場は1000円前後ということもあり、近所の人であれば、香典は3000円でも差支えないだろう。

お供え物は?

初盆ということで、人は集まったけれど、会場となる家などの雰囲気が閑散としていたら、物寂しさが漂ってしまう。香典に気を取られるだけでなく、余裕があればお供え物のも気を配りたいところだ。

仏壇に供える線香やろうそくなどの定番に加え、初盆の法事が終わった後に、遺族などが分けて持ち帰れるお菓子や、缶詰、果物などが喜ばれる。夏の時期ということもあり、傷まず、日持ちする品物を選んだほうが無難だ。また、華やかな雰囲気を漂わせる供花も人気で、花束のほかすぐに飾ることのできるアレンジメントも支持を集めている。

香典に加えて、お供え物を持参する場合は、遺族に気を使わせないように、3000円‐5000円前後に収めたいところだ。お供え物を贈るサービスも充実しており、初盆に参加できない場合は、こうしたサービスも利用することができる。

親族で提灯の費用負担も

初盆は文字通り、故人がこの世を去って四十九日が明けてから初めて迎えるお盆。他界した人が初めて遺族のところに戻ってくるため、ゆかりのあった人や親しかった友人らが集まり、故人を温かく迎え入れる。

親族は、初盆の日程を決め、読経のための僧侶手配、初盆に集まった人たちの会食、返礼品の準備などに追われる。初盆を執り行う家などでは、初めて戻ってくる故人の霊が迷わないように、白い提灯を目印として用いる習わしがあり、親族などがこの提灯を贈る習慣も増えてきている。香典以外にも、こうした提灯の費用負担をどのようにするのか、確認しておくことも重要だろう。

初盆を迎えるにあたり、香典やお供え物が気にかかり、法事に参加するのが億劫になってしまうこともあるが、包む額が高くても遺族に気を使わせることになるので、相場を頭に入れておけば、気兼ねする必要がなくなるだろう。しかし、最も大切なことは、初めてゆかりのある場所に戻ってくる故人の霊を、温かく迎え入れることだ。(ZUU online 編集部)

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