ここ数年、金や原油等といった商品への投資に注目が集まっている。商品に投資できる金融商品として思い浮かぶのが商品先物だが、ハイリスク・ハイリターンという特徴上、投資に二の足を踏む個人投資家も多いことだろう。そこで注目が集まっている金融商品が「ETF」や「ETN」だ。
名前が似ているため同じ商品のように感じられるかもしれないが、そうではない。ETNとETFの商品内容を比較しながら、その違いをしっかりと確認して投資したい。
ETF、ETNのメリット・デメリット
まずはETFから見ていく。ETFは上場投資信託と呼ばれる金融商品で、「Exchange Traded Fund」を略したものだ。証券取引所に上場している金融商品である。東証株価指数(TOPIX)や日経平均株価、JPX日経インデックス400といった株価指数や、不動産投資信託の東証REIT指数、金価格や原油のWTI原油先物価格等といった指標に連動するように運用している。
例えば、TOPIXに連動したETFの場合であれば、対象となる指数=東証株価指数に連動するために、東京証券取引所に上場している数千にものぼる現物株式を裏付け資産としてファンドが保有し、運用を行っているということだ。保有資産は信託銀行に保管されているため、ETFの組成会社が破綻した場合も、資産価値が減少するかもしれないが、投資家が投資した資産は保全される。
銀行等で販売されている一般的な投資信託では、販売している金融機関等があらかじめ指定した時間に売買しなければならない。売買の時点では投資信託の価格である基準価格はまだ決まっていないため、価格がわからない状況で売買の判断を下さなければならない。自分で決めて投資信託を売買したい人には、ETFが向いていると言えるだろう。
一方、ETNは、上場投資証券または指標連動証券とよばれる金融商品で、「Exchange Traded Note」を略したものだ。ETFと同じように、証券取引所に上場している金融商品である。
ETNは株価指数や商品価格等の決められた指標に連動する仕組みになっているが、発行体である金融機関がその信用力をもとに、価格が特定の指標に連動することを保証する債券である。ETFでは裏付となる資産を保有していたが、ETNでは発行体である金融機関が対象となる指標に連動することを保証しているだけなので、裏付けとなる資産を必要としていない。つまり、発行体である金融機関の信用力がもとになっているため、発行体の財務状況の悪化や倒産等の状況には注意しておく必要はあるだろう。