今日もぽつぽつと雨が降っており、東京では今月に入って雨が降らなかった日がないという感じです。この異常気象が企業収益に影響を及ぼすということもあり、百貨店の売り上げや農作物などへの影響も気になるところです。かつて「米騒動」があった年もありましたが、何となく嫌な感じです。

異常なのは気象だけでなく、株式市場もやはり異常というか、いっこうに「貯蓄から投資」への動きが進まないという話ですが、現状のように株式投資ではなく投機だけでの世界であれば、誰も株式投資を行うということにはならないでしょう。目先的な値動きばかりを追う人が多く、そして長期投資というと投資信託しかないというような雰囲気であり、本来の投資、つまり出資企業を応援するような、長期でのリターンを考えるような投資が必要でしょう。手数料ばかりを気にするのではなく、長期の視点で株式を保有することのメリットをもっと作らないことには長期保有も増えず、貯蓄から投資への動きは進まないと思います。

昨日の大幅高の反動や円安一服ということから本日の日本市場は上値の重い展開となりそうです。北朝鮮問題などが取りざたされるということもないのでしょうが、買い急ぐ理由もなく、足元の天候不順、日照不足などの影響が取りざたされてくれば、再度下値を試すこともありそうです。小型銘柄などで売られ過ぎた銘柄など個別に反応することになりそうです。

19,700円水準を超えると上値が重くなるという感じです。さすがに一気に2万円まで戻すということでもないのでしょうし、円安が進むということがなければ再度19,500円~600円水準を試す動きになり、世界的な金余りの終焉ということでのリスク回避の流れになれば、19,200円~300円水準を試すこともありそうです。

本日の投資戦略

アルゴナビス清水の投資戦略
(写真=PIXTA)

いつものように北朝鮮問題も特に問題視されなくなった感じですが、北朝鮮問題というよりはやはり、欧米での利上げ、資産圧縮の動きからの信用収縮=リスク回避の流れが起こるかどうかということが問題となりそうです。米国の金利が上昇するケースでこれまでのように素直に円安に振れるということであればいいのですが、逆に一昨年のように利上げするからということで円高に振れるという可能性もあり、注意が必要という感じではないかと思います。

相変わらず、日経平均のPER(株価収益率)が低いからということで日本株が割安という向きもいるようですが、日経平均採用銘柄で指数の影響が大きい銘柄のなかには明らかに買われ過ぎ感が強いものも多く、足元の決算が好調と言っても上値は限られるのではないかと思います。まだまだ波乱も多くなりそうですから、個々に割安感が強い銘柄などをしっかりとみておくということで良いのだと思います。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・ アルゴナビス )、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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