東京で馴染み深い「マック」か、大阪人が口にする「マクド」なのか、東西で異なる呼び名に着目した新しいハンバーガーが話題の日本マクドナルド <2702> だが、注目を集めるのはその新商品だけではない。

お盆を前に発表した2017年12月期の第2四半期連結決算では、純利益が107億1600万円となり、前年同期比で68倍にまで拡大した。相次いだ商品への異物混入などで赤字に苦しんでいた時期から見事なV字回復を遂げたように見えるが、純利益の急拡大の数字に踊らされるのではなく、不祥事に見舞われる以前の水準と比較しながら、マクドナルドの実力を分析する。

営業利益は200倍に

(写真= 8th.creator/Shutterstock.com)
(写真= 8th.creator/Shutterstock.com)

17年12月期の第2四半期連結決算の詳細をみると、売上高は前年同期比15.6%増の1212億2900万円、営業利益は94億2700万円にまで伸び、前年同期比(4700万円)と比較すると、200倍にまで膨れ上がった。好調な第2四半期決算の内容を受け、通期の業績予想も上方修正。売上高を2485億円(従来予想2460億円)、営業利益165億円(同150億円)、純利益200億円(同145億円)にそれぞれ引き上げた。計画通りに進めば、01年の上場以来、過去最高益を更新する見込みだ。

好調な決算をけん引したのが、話題を集めた商品だ。5月には「マックの裏メニュー2」、6月には「グランドビッグマック」「ギガビッグマック」を相次いで投入。ビッグマックの2.8倍ものビーフパティを使用したギガビッグマックは、SNS映えするそのボリューム満点さが人気を呼んだ。この他、スイーツのコラボ商品の展開も進め、「マックフルーリー森永ミルクキャラメル」、「マックシェイク×カルピス®」など、サイドメニューの充実も売り上げを押し上げた。

積極的なメニュー展開に加え、利便性の向上として、楽天 <4755> が運営する楽天スーパーポイントが一部特殊立地店舗を除いた全店舗で利用可能となったほか、Uber社と提携し、同社のフードデリバリーサービスUberEATSを東京都内33店舗で導入した。

これまでもマックデリバリーとして全国約200店舗で宅配サービスを提供してきたが、宅配の注文を受け付けは1500円以上(朝マックは1000円以上)からと価格設定があった。UberEATSでは最低注文価格は設定されておらず、商品1つからでも宅配が可能となった。

純利益は過去最高を5割上回る水準