女性の社会進出が進んでいるが、実際の企業全体に対する女性従業員の割合や管理職につく女性の割合はどの程度なのだろうか。8月15日、帝国データバンクは企業の女性登用に関するインターネット調査である「女性登用に対する企業の意識調査(2017年)」を発表した。企業の女性登用は進んでいるものの、ペースは緩やかであり、政府目標の達成には官民共により一層の努力が必要である現実が映し出された。また、業界による女性管理職登用への姿勢の違いも明らかとなっている。

管理職の女性比率は6.9% 前年より改善もペースは緩やか

女性管理職
(写真=PIXTA)

調査は7月18日~31日に行われ、上場企業を含む1万93社から有効回答を得た。2013年から行われている同調査は今年で5回目となる。

調査では、企業の従業員、管理職、役員それぞれに占める女性の割合について尋ねられている。従業員に占める女性の割合は平均で24.6%(前年24.2%)となり、前年から0.4ポイントの改善となった。女性従業員の比率が「30%以上」と回答した企業が29.8%(同28.2%)と1.6ポイント上昇した。また、女性従業員の割合が10%に満たない企業の割合は29.4%(前年29.8%)と0.4ポイント減少した。

管理職に占める女性の割合は、平均で6.9%(前年6.6%)となっている。女性管理職の比率が「30%以上」と回答した企業が6.4%(同5.6%)と0.8ポイント上昇した。一方で女性管理職がいない企業は49.2%(同50.0%)と半数近くに上る。前年からは0.8ポイントの改善が見られるものの、女性の管理職への登用が進んでいない企業がまだ多くある実態が浮かび上がる。

社長を含む役員に占める女性の割合は、平均で9.3%(前年8.7%)となり、こちらも前年から0.6ポイントの改善となった。女性役員の比率が「30%以上」と回答した企業は12.5%(同11.3%)と1.2ポイント上昇した。女性役員がいない企業は59.4%(同60.3%)と前年からは0.9ポイントの改善が見られるが、女性役員のいない企業もまだ多くあるようだ。

女性社長の企業では男性社長の企業より女性登用が進んでいるという調査結果も出ている。従業員に占める女性の割合は女性社長の企業では35.7%(男性社長24.3%)、管理職に占める割合は20.5%(同6.6%)、役員に占める割合は40.0%(同8.6%)となっており、いずれも女性社長の企業の方が10ポイント以上高いという結果となった。

女性の管理職登用は業界によって差が大きい