昨日は夏らしい日差しも見えて、暑くなりましたが、今一つすっきりとしない天気です。株式市場も何がどうしたということでもないのですが、冴えない展開になっています。米国での利上げがないのではないかというような雰囲気になって円高となっていることで日本株が冴えないのですが、少し長い目で見れば買える銘柄も多いのですから、ここはじっくりと好業績銘柄に期待しても良いと思います。
新聞でも日銀の影響で市場がゆがめられているというようなことが出ていましたが、日銀よりもインターネットを使った取引などでゆがめられているということなのだと思います。株式市場や経済のこと、そして株価の本来の動きなどを無視してゲーム感覚で大きなお金を動かしているような投機資金が市場をゆがめているということでしょう。そして、それもまた相場であり、日銀の買いもまた相場ということなのですから、株価形成をゆがめているわけではなくそれが「正しい相場」ということなのです。市場参加者が少ない、特に中長期の個人投資家の参加が少ないので日銀の買いが目立つということでしょう。
米国株はまちまちで為替も円高気味ということで本日の日本市場も冴えない展開になりそうです。特に手掛かりになるようなイベントや指標の発表もなく、円高に振れればさらに下値を試すことになるのでしょうし、円安となれば戻りを試すことになるのでしょうが為替に動きがなければ、売り先行となったあとは日銀や年金の買いが期待されて小動きとなるということだと思います。日銀に加え年金の買いがみられるようであれば値持ちの良い相場となるのでしょう。
昨日の夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物を見ていると19,200円台では売り難いというような雰囲気です。1ドル＝108円台となっても19,000円水準まで一気に売られるということもない感じです。やはり節目とみられる19,200円～300円水準で値固めをする、あるいは19,000円を試すところから買い直されるということになりそうです。上値は当面は19,500円～600円水準が目途ということになりそうです。
本日の投資戦略
夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物はいったん大きく売られたものの最後は戻しました。ただ、市場の雰囲気は何かあったら買い戻しを急ぐという雰囲気でもなく、逆に何かあったら売られなければならないというような感じです。こうなると日銀や年金の買いが入っても「戻ったところで売ろう」ということになり、当面は上値が重くなりそうです。
世界的な金余りが終わるということでの調整となっているということだと思います。米国での利上げが進むのか、欧州は金利が上昇しても大丈夫なのか？日本でも日銀の金融緩和政策に変化がみられるのかなどが注目されるところであり、各国の金融当局の方向感がみられるまでは、ちょっとした政治的なリスクなどを取りざたしては右往左往することになるのでしょう。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 （現・
アルゴナビス
）、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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