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中国製造業PMIが映し出す中国経済

中国の国家統計局、購買連合会がまとめた7月の製造業購買担当者指数(PMI)が6カ月ぶりに50台を回復しました。市場予想値は51.4程度でしたがそれを上回る51.7と言う結果になりました。PMIとはPurchasing Manager's Indexの略称で、各業種の購買担当者に対するアンケート結果を基に算出されます。この数値は50を中央値として小さくなると景気縮小、大きくなると景気拡大という意味を表し、その偏差が大きいほど強い事を示します。

世界中の経済指標では他にも米国のISM製造業景況指数等が有名ですが、これらPMIは購買担当がその業界の景況感や生産計画等をコントロールしている事から数カ月先の景況感を示す先行指数と呼ばれ、中国経済が今後数カ月にわたり勢いが維持される可能性が高い事を示しているのです。さて、この様な結果の裏側には一体どのような背景があったのか経済環境を垣間見ながら確認して行きましょう。


中国の景気刺激策

中国政府は2014年4月に国内インフラ投資による景気刺激策を打ち出しています。過去にも数回同様の手法は使われており、数カ月程度は確実に効果の出る物としてマーケットから認識されています。主に鉄道建設による投資を増大させる事によりインフラ充実と関連工事の需要を促進させる形で景気を刺激する目論見の様です。

都市部には地下鉄を整備する事で交通渋滞などを緩和してアクセス性が高い都市を作り、スラム地区となっている箇所についても改善を進める模様です。具体的な規模としては金額にして13兆円規模と工程は6600kmの延長(2013年より1000km増)を実施する事が決まっています。インフラ整備以外については中小零細企業の所得税を減税(約50%減)する方針も打ち出しており、マーケット関係者間ではこういった一連の景気刺激策が7月のPMIに表れたと認識されているようです。