拡大するインフラ投資

中国の成長モデルは政府の投資主導型となっており、国が借金をして年々大きなインフラ投資を続けていると言うのが現状です。しかしながら、時代が進むにつれ伸び率が鈍化してきている事が知られています。特に金属加工業では生産能力が過剰な状態に陥っており。2013年以降では伸びるどころかマイナスに転じてしまっています。

インフラ投資に関連している不動産市場も過熱していた頃と比較するとほぼ横ばいとなっており、不動産価格の上昇率がかなり鈍化してきている様です。これまで右肩上がりだった中国の成長に陰りが見えてきたというのはこれらの点からも分かってきます。今回のインフラ投資は国の借金だけでなく民間の資金も取り入れる事で実施されていますが、こういった政府主導型の成長モデルの限界がいつどの様な形で訪れるのか投資家の間では色々な説が囁かれているようです。


経済を支える新規輸出受注

中国は日本と同じく輸出で外貨を稼ぐ輸出大国です、2014年7月までの輸出は4-6月期に大幅にプラス(前年同期比4.9%増)となり中国の輸出はかなり順調であると予想されます。これらは世界的な景気拡大局面の影響を受けた物と推測され、今回のPMIからも分かる様にかなり強い回復基調にあると思われます。

また、中国人民銀行による元安誘導策も追い風となり中国の輸出競争力を後押ししています。中国国内の所得と消費も底堅く推移している事から外需だけでなく内需も充実している状態となり、景気刺激策の効果次第ではさらなる上振れも期待できそうです。

今年2月には輸出が落ち込む局面が見られましたが米国向けの受注は歴史的な悪天候の影響を受けたものと考えられ、アジア、欧州向けは予想の範囲内で過度の心配をする事はなさそうです。


今後の中国経済の展開は

今後の中国経済は短期的に見れば今回のPMIの様な先行指標や輸出増等により力強く支えられている様に見えます。世界各国の経済指標も軒並み好景気の様相を見せておりリーマンショック以降最大の景気回復局面と見て良いでしょう。しかしながら長期的に見ると中国の経済成長モデルはどこかで修正されるであろうと言うのが大方の予想となっております。しばしばニュースで見る中国のゴーストタウンや闇銀行の問題などすでにバブルの負の遺産が至る所に見え隠れしています。

現在保たれている不動産価格が下落に転じると担保としての価値が失われ追証が発生し、負の連鎖でこれまでの巻き戻しが発生します。中国政府がどの様にソフトランディングさせるかによって波紋の大きさが変わってくると思いますが、バブルの仕組みは世界共通で、結末もこれ然りです。日本の場合は山一証券、米国の場合はリーマンブラザーズといった大型の証券会社、投資銀行が次々と破綻していきました。

中国の場合はさらに厄介で企業が融資されたお金を本業以外の所で使い、投資銀行まがいの事を行っているので債権の所在が不明になる可能性があります。この様に好調な経済指標のみならず、中国経済の仕組みについても常に最新の情報を得ながらマーケットに参加する事をお勧めいたします。

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