「借金」と聞くと何やら良くないことだとか、危ないことだと感じるかもしれないが、お金との使い方が上手な人は借金に対する考え方も異なる。借入金を原資にそれ以上のリターンを得ることができるか、つまり投資の考え方を大切にしている。

元来より日本人は教育現場で「お金の稼ぎ方」から距離を置いているせいか、ファイナンスの考え方が弱いと感じる。その一方で昨今は「貯蓄から投資へ」という価値観の変遷が見られる時代。公的年金をはじめ老後資金への不安も拭えない。これからの日本に不可欠な「お金と向き合ったとき」の、賢い関わり方を考えてみよう。

1. 「前向きな」借入金とは?

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(写真=PIXTA)

冒頭でも述べたように、借入金に対して特に日本人はマイナスの印象を持ちやすい。生活が苦しい際に補填的な役割を担うもの、可能な限り発生しない方がいいもの、という印象だ。

ところが、1年発起して会社を起こし、銀行や政府系金融機関から借入を起こしたときは、「会社経営においてお金を借りることができた」という言い方をする。マイナスの行動で使う言葉ではないはずだ。その答えは、借入金を使って「何をするのか」「どのくらいのリターンがあるのか」というところに帰結する。

起業、投資に借入金をあてることは、決して悪ではない。投資に関しても、自身で想定した収益予測や利回り予測を通してお金を投じる「前向き」な動きだ。

そもそも事業や投資における借入金は、「借りたい」と思った人すべてが借りられるものではない。銀行をはじめ金融機関には、借入の希望者にお金を貸しても大丈夫か、貸付が滞ることはないかという、「審査」が行われる。この審査を通過しないことには、1円もお金を借りることができない。つまりお金を借りることが「できる」のは、金融機関に「認められた」人だけが持つ許可証なのだ。この許可証を得るためには借入希望者の事業に成功性があるかという点と、借入希望者本人が信頼に足る人物なのか、いわゆる「属性」が問題ないかという点で判断されることとなる。

2. 日本はいつ、「借入金」が挑戦者の証となるか

起業にしろ、投資にしろ、お金を借りる立場になるまで「借金=悪」という印象があった、という人は多い。起業熱が群を抜いて低いとされる日本では国や自治体、金融機関も独立起業の後押しをしており、「借入金」が挑戦者の証となる時代の到来も考えられるだろう。ただ現状を見る限り、借金=悪ではなく「挑戦者の証」となるのはもう暫く時間がかかるのではないだろうか。それだけ企業や投資は「一般の人にはあまり関係のないこと」であり、それよりも弁護士事務所のCMから受け取る「借金」のイメージが強いように思う。

お金と前向きに関わっていくためには、「浪費」「消費」「投資」を区別することが重要となる。何かにお金を何かに投じる際、どのくらいのリターンがあるのかを意識してみてはいかがだろうか。お金に対する関わり方やイメージも変わってくるはずだ。

工藤 崇(くどう たかし)
FP-MYS代表取締役社長兼CEO。FP-MYS: http://fp-mys.com/
ファイナンシャルプランニング(FP)を通じ、Fintech領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点Finolab(フィノラボ)入居。執筆実績多数。

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