「過去25年にわたり7割以上の大学生が働きながら学んでいる」ことなどが、米国の大学の調査から明らかになった。

しかし学費が高騰しているため、例え常勤職に就いていても学資ローンなど何らかの負債を抱えることになる。それにも関わらず、学資ローン総額は過去最大の1.3兆ドルまで膨れ上がっている(フォーブス誌より )。

2割が子育てしながらの学習では学資ローンは避けられない?

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

2015年にジョージタウン大学教育・労働センターが発表した調査によると、何らかの手段で生活費あるいは学費の一部を稼いでいる米国の大学生は70%以上。そのうち40%の大学生、70%の大学院制が、週に最低30時間は働いている。常勤職で生活費を稼ぐ傍ら、全日制の大学に通っている割合は25%だ。また30%が30歳以上で、19%が米国学生子どもを育てている。

「働きながら、子育てしながら、キャリアアップを目指して学ぶ」という志は素晴らしいが、当然ながら現実はそう甘くはない。

米国の学生が常勤職で得れる平均年間所得は約1.5万ドル(2015年データ)。学費や生活費は学校や地域によって差がでるが、一般的な学費を5000〜5万ドル、生活費を8000〜1.2万ドル(Education.comより )と仮定すると、学費、生活費共に最低水準を選択しない限り、到底賄える範囲ではない。家族を養っている学生であればなおさらだ。

「働きながら学べる環境創り」が今後の課題

生活苦と戦いながら学習を続けている学生が多いにも関わらず、学資ローン総額は社会問題化するほどに膨張している。4000億ドルにも達していなかった10年前と比べると、現在は3倍以上だ。

2016年の学資ローン利用者は4420万人、平均負債額は推定3.7万ドル。2016年第4四半期だけでも310億ドル増えており、不履行率は11%を上回る。

報告書を作成したジョージタウン大学センターのディレクター、アンソニー・カルネヴァーレ氏は、常勤職でも補えないほどに学費や生活費が高騰している点を指摘している。
また大学生の年齢層が徐々に上がってきていることも、働きながら学ぶ学生が増えている要因のようだ。

金融情報サイト、ヴァリュー・ペンギンの統計によると、学資ローンの利用者の過半数が25歳以下だというが、米国教育統計センターのデータでは2011年の時点で25歳以上の大学生が40%以上増えており、現在では在籍生の過半数を占めている大学もある。

「働きながら学ぶことが当たり前の時代」となった米国では、学業と仕事のバランスをとりやすい環境創りが今後の課題となりそうだ。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

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