ビジネスパーソン1万5000人を調査した「仕事満足度ランキング2017」によると、仕事満足度に影響するのは「労働時間」や「給与・待遇」よりも「仕事内容」であることが分かった。
パーソナルキャリア(旧インテリジェンス)が運営する転職サービス「DODA」による調査。対象は19業種・110職種の20歳〜59歳の正社員で、7月に実施された。
職種ランキングTOP20
DODAでは調査を行った110職種の仕事満足度をもとに、職種ランキングを発表した。まずは20位から1位の順位を見ていこう。
20位 購買・資材調達(企画・管理職)……67.2点
18位 総合商社(営業職)……67.3点
18位 事業企画・新規事業開発(企画・管理職)……67.3点
17位 ネットワークエンジニア(IT・通信エンジニア)……67.5点
14位 プリセールス(IT・通信エンジニア)……67.7点
14位 薬事(医療系専門職)……67.7点
14位 総務(企画・管理職)……67.7点
12位 営業企画(企画・管理職)……67.8点
12位 英文事務アシスタント・通訳・翻訳(事務・アシスタント職)……67.8点
11位 積算(建築・土木系エンジニア)……68.1点
10位 決済・計理・カストディ(金融系専門職)……68.2点
9位 経営企画(企画・管理職)……68.5点
8位 設計監理(建築・土木系エンジニア)……68.7点
7位 内部監査(企画・管理職)……69.0点
6位 データベース・セキュリティエンジニア(IT・通信エンジニア)……69.2点
5位 法務・知的財産・特許(企画・管理職)……69.5点
4位 広報・PR・IR(企画・管理職)……70.4点
3位 人事(企画・管理職)……70.9点
2位 MR(営業職)……71.6点
1位 融資審査/契約審査(金融専門職)……73.5点
企画・管理系職種が上位20職種のうち9職種を占めた。企画・管理系については、やりたいことや得意なことを仕事にしている人が多い傾向にあり、希望と現実のギャップが少ないことから高い満足度へとつながっているようだ。
業種ランキングTOP10
19業種の仕事満足度をもとにした業種ランキングは以下の通り。10位から1位の順に紹介する。
10位 電気・機械メーカー……64.3点
9位 公共……64.6点
7位 IT・通信……64.8点
7位 建設・プラント・不動産……64.8点
5位 化学・素材メーカー……65.0点
5位 インターネット・広告・メディア……65.0点
4位 金融……65.2点
3位 メディカル……65.6点
2位 エネルギー……67.0点
1位 コンサルティング……70.4点
1位のコンサルティング業界は、調査で用いた5指標のうち「労働時間」を除いた「総合」「仕事内容」「給与・待遇」「職場環境」の4つで満足度トップとなった。トータルのバランスの良さが高い満足度へとつながったようだ。
満足度が高いのは「労働時間」
「仕事満足度ランキング2017」は、現在の仕事満足度が100点満点中何点であるかを回答者に質問し、その平均値をもとに集計している。指標としたのは「総合」「仕事内容」「給与・待遇」「労働時間(残業・休日など)」「職場環境(社風・周囲の社員など)」の5項目だ。
「総合」の平均点は63.7点だった。その他の4指標について平均点が高い順に並べると、「労働時間」67.4点、「仕事内容」65.5点、「職場環境」61.8点、「給与・待遇」58.4点となっている。残業・休日など「労働時間」に対する満足度は高く、「給与・待遇」では比較的低いことが分かる。
「労働時間」の満足度が高い要因の一つとして、働き方改革に取り組む会社が増えたことが挙げられる。回答者からは「残業、休日について働き方の方針がある」「フレックス、有休などをきちんと取るルールがある」といったコメントが寄せられている。
「仕事内容」が満足度に大きく影響
では「仕事内容」「給与・待遇」「労働時間」「職場環境」といった指標の満足度は、総合的な仕事満足度にどういった影響を与えるのか。
今回の調査の結果、総合的な仕事満足度への影響が最も大きいのは「仕事内容」であることが分かった。次いで「給与・待遇」「職場環境」「労働時間」の順となっている。
「仕事内容」の満足度が高い人は、総合的な満足度も高い傾向にあるという。一方、「職場環境」や「労働時間」の満足度が高くても「仕事内容」の満足度が低い人の場合は、総合的な満足度が低くなる傾向にあった。
日本人の働き方が変化してきたことで「労働時間」の満足度は高くなっている。しかし、「仕事内容」への満足を生み出さなければ、総合的な満足にはつながらないようだ。(渡邊祐子、フリーライター)