転職者(中途採用)は、既に社会経験があり即戦力ともなり得ることから、企業側は積極的に確保したいと思っていることが多いようです。転職者の確保に大きく貢献するのが、住宅手当や福利厚生の充実です。それらの改善を検討し、即戦力となる人材の誘い込みを行ってはいかがでしょうか。

転職の動機

(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)
(写真=ASDF_MEDIA/Shutterstock.com)

現在、働き方は変化しています。当たり前だった終身雇用は崩壊しつつあり、以前と比べると転職が一般的となりました。現在の日本は人手不足と言われてり、企業も転職者を受け入れるさまざまな取り組みを行っています。

転職する動機としては「給与への不満」「残業の多さ」「U・Iターン」という理由が増加しているようです、労働者はより良い環境を求めて職場を移る傾向が高まっています。

就職経験者が次の企業を探す際にポイントとするのは、「スキルアップ」「年収アップ」「ワークライフバランス」の3つが大きく、転職希望者向けの求人を出す場合には、新卒者向けとは違ったアプローチが必要と言えるでしょう。

転職者を積極的に呼び込む

人手不足に悩む企業にとって、即戦力となる転職者の呼び込みは非常に重要です。労働環境の改善という点で、最も効果的なのが賃金の改善でしょう。スキルアップやワークライフバランスは個人によって希望する環境が異なるため、さまざまな選択肢を用意しておく必要があります。賃金の改善による年収の底上げは企業の大きな魅力となり、人手不足の解消に大きく貢献する結果となるでしょう。

ただし、中小企業などでは、たとえ人手不足だとしても基本給与をあまり上げられない現状が考えられます。そこで、残業代や住宅手当、社宅制度などをアピールすることによって、転職者を積極的に呼び込みという方法があります。手当によって実質手取りが増えるため、どの年代の転職者にとっても非常に大きな魅力となります。

実際の事例

東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(平成28年版)」によると、約40.2%の企業が住宅手当を支給しており、扶養家族ありの場合は賃貸で2万6,190円、持ち家で1万7,959円となっています。

たとえ、基本の給料が変わらずとも、住宅手当や家賃補助があれば転職先としての魅力は大きく上がることでしょう。また、住宅手当以外の福利厚生を充実させ、転職者にアピールする方法もあります。

厚生労働省による「人材確保に「効く」事例集」では、駅から離れた事業所が通勤手当て代わりとして、コンビニなどで利用できるクオカードの配布を行った(外勤時)という事例が掲載されています。他には、社内預金制度を導入することで、勤務継続のモチベーションを高めるという事例が紹介されています。

さらに、転職者は新卒よりも家族手当に関心を持つことが多いため、住宅手当と合わせて充実を図ると効果的と言えます。「中小企業の賃金・退職金事情(平成28年版)」によると、約51.8%の企業が家族手当を支給しています。配偶者には平均1万694円、子ども1人あたり約5,000~5,400円が支給されています。

転職者にとって魅力的な企業を目指す

現在の労働市場は売り手市場と言われていて、労働者側が働きやすい職場を選ぶ時代です。転職者の割合が増えてきたことを考えると、転職者にとって魅力的な企業となるために住宅手当などを充実させて人材を確保する必要があると言えます。

また、福利厚生を充実させることで、人材の確保だけでなく勤務継続のモチベーションを高めることにもつながります。労働環境の改善を図り、企業としての長期的な利益を目指しましょう。

(提供: フクリ!

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