個人投資家に人気が高い投資先の1つである外貨に投資できる金融商品には、外貨預金や外貨MMF、FX(外国為替証拠金取引)などがある。ドル円相場では一時1米ドル107円台まで円高が進行していることや、少額から投資できる点に魅力を感じ、外貨投資に興味を持っている方に対して、外貨投資をはじめる前に知っておきたい注意点をお伝えしよう。

注目を集める高金利通貨

外貨投資,米ドル
(写真=PIXTA)

外貨投資が人気を集める理由の一つとしては、外貨の金利水準の高さが挙げられる。日本では長く低金利の状況にあり、大手銀行の円定期預金に1年間預けても0.01%という金利水準。例えば、100万円を1年間預けても、受け取れる利息は税引き前で100円にしかならない。

一方、大手銀行の外貨定期預金を利用して米ドルに1年間預けた場合の金利は0.4%程度、オーストラリア(豪)ドルであれば0.8%程度。円定期と比べると、米ドルでも40倍程度の金利水準になる。

投資できる海外通貨は、米ドルやユーロはもちろん、オーストラリアドル、ニュージーランドドルに加え、英ポンド、カナダドル、南アフリカランド、トルコリラなど、数多く存在する。

損益分岐点の考え方

高金利の通貨に投資すれば、高い金利を受け取れるかもしれないが注意点もある。しかし、外国通貨の金融商品を取引する外貨投資では、日本円をこれらの外国通貨に交換してから金融商品に投資する。日本円と外国通貨を交換する時の為替レートを基準にして運用されていくため、日本円から外国通貨に交換した時点の為替レートが今後の損益分岐点の鍵を握ることになる。

外貨投資では一般的に、投資時点よりも為替相場が「円安・外貨高」に進行すれば利益が発生する。

例えば、米ドルで外貨定期預金をした場合、購入時の為替レートが1米ドル100円、売却時の為替レートが1米ドル110円になれば「円安・外貨高」利益が発生する。反対に、購入した時の為替レートが1米ドル100円、売却した時の為替レートが1米ドル90円になった場合では、「円高・外貨安」になっているので損失が発生してしまう。

高金利通貨を購入すれば、高金利を受け取れるが、受け取れる金利以上に為替レートが「円高・外貨安」に変動すると、損失が発生する点には注意が必要だ。高金利であることも重要だが、投資時点の為替レートの水準が損益に大きな影響を及ぼす。

投資前に確認したい「損益分岐点の計算式」

為替相場は時々刻々と動いているため、投資に適した為替水準を判断するのは難しい。

為替水準の判断には、為替の動きをグラフで表したチャートを使って、過去の水準と照らし合わせながら、現在の水準が高いのか、それとも安いのかを把握して投資判断を下していくことが重要になる。

さらに、高金利、低金利に関わらず、外貨投資を行う場合、「日本円に戻した時にいくらの利益が出るのか」「利益を出すための為替レートはいくらなのか」、つまり損益がトントンになる為替レート(損益分岐点)をあらかじめ把握しておくことが大切だ。

損益分岐点は、以下の算出式で求めることができる。

【損益分岐点の計算式】
損益分岐点=投資金額(日本円)÷ 受取金額(外貨建て)

以下の条件を例に計算方法を見ていこう。
・為替相場:1米ドル100円(購入時、売却時の水準は変動なし)
・投資金額:100万円
・外貨預金金利:0.4%/年
・片道手数料:片道1円

【購入できる米ドル】
101円(1米ドル100円+手数料1円)÷100万円=約9900ドル

【1年間の金利】
9900ドル×0.4%=36ドル

【1年後の受取合計金額】
9900ドル(元本)+36ドル(利息)=9936ドル

【損益分岐点】
100万円÷9936ドル=100.6円

よって、損益が±0になる為替レートは「1米ドル100円60銭」となる。為替レートの変動がないと仮定した場合、売却時の手数料が1円なので為替レートは1米ドル99円になるため、たとえ税金を考慮しなくても損失が発生することになる。

あらかじめ損益分岐点を計算しておけば、「この程度なら為替が動いても大丈夫」という為替水準を把握できるようになる。

最近は、金融機関によって投資を行う際の手数料にも差が出てきているため、同じ金利水準であれば、手数料の安い金融機関を利用した方が投資に有利にはたらく。損失発生時の対処法がわからなければ、為替の動きに一喜一憂するだけだ。損益分岐点や手数料を事前に調べて、外貨投資を始めたい。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。WAFP関東理事。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

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