日本における投資人口は、約1割。1200万人程度と推計されている。これら個人投資家の大半を占めるのは、生活資金に余裕がある40〜60代だ。可処分所得の低さもあって、大学卒業したての20代はほとんど投資をしていない。
長らく、日本人にとって投資は一部の人たちがするものと認識されてきた。それは銀行にお金を預けていれば資産は安全、そして少なからず利子がつくという前提があったからだ。また、投資には金儲けのイメージもついて回る。元来、日本では金儲けはあくまでも額に汗するものという美徳の概念が強かったゆえに、投資でお金を稼ぐことは忌避されてきた。
“資産運用”を考える30代は増えている
10年前、世間を騒がせた村上ファンドはまるで金の亡者のように取り上げられたが、そうした投資家たちのイメージも悪いものではなくなった。そこにはインターネットによる株取引なども容易になり、誰もが投資を始められることで投資人口が増加したこと、社会環境が変化して投資のイメージが改善したことなども一因にある。
そして、私たちを取り巻く金融環境も10年で大きく変貌した。ゼロ金利・マイナス金利時代に突入し、銀行にコツコツお金を預けるという時代は終わった。将来不安から“資産運用”を考える30代は増えている。
それらは、決して一部の現象ではない。投資入門を謳う本が書店の一般書コーナーで平積みされるようになり、多くの人が目にするコンビニでも投資の入門書が並ぶ。まだ、投資を始めていない人でも、投資に対する興味は高まっているはずだ。