歩行者を死亡させた自転車運転者に1億弱の賠償命令を出した判決を受けて、大阪府や兵庫県などは条例で自転車賠償責任保険を義務化している。これは自賠責保険のように単独の保険があるわけでなく、本来自転車とは関係ない損害保険でも対応できる。

義務化をめぐる動き

自転車保健,高額賠償,裁判
(写真=Volodymyr Baleha/Shutterstock.com ※写真は米国内の店舗)

2013年7月4日、62歳女性に対して事故を起こした当時小学生の自転車運転者に神戸地裁が1億円弱の賠償命令を出してから、自転車運転も巨額の賠償責任を負うことが認知されてきた。この判決や類似の事例を受けて神戸地裁の管轄地域となる兵庫県や隣の大阪府では、条例で賠償責任に対応する保険加入を義務化した。

しかし未加入の罰則はないため、2017年8月15日の神戸新聞では兵庫県内の保険加入率はいまだ64.7%と報道されている。義務化自体を知らない層もいるだろうが、義務化されている範囲も正確に知られていないように思える。

いわゆる自転車保険は傷害保険が本体