何となくすっきりとしない天気ですが、株式市場は大幅高となり、高値更新となりました。特に買い上がる理由があったということでもなく、いつものことではあるのですが、買うから上がる、上がるから買うということで一気に上昇となりました。ちょうど5月の連休のときと同じようなパターンで、さらにここからの上昇を期待する向きも多いようです。
ただ、積極的に買い上がるにはここからは理由づけも必要になってくるのではないかと思いますし、米国のFOMC(公開市場委員会)や日銀の金融政策決定会合が終わってどこまで現在のような債券から株式へのシフトが続くかどうかということになりそうです。昨年12月や今年の3月もFOMCでの利上げ時がピークになっており、ここからもさらに買われるかどうかということが注目されます。
本日の日本市場は昨日の急騰の反動から手仕舞い売りも出るのでしょうが、円安気味ということは変わらず、米国株も堅調となったことから堅調な展開が期待されます。ただ、ここから米FOMCや日銀の金融政策決定会合を控えて積極的に買い上がるということにもならないと思われ、堅調ながらも上値の重い展開が続くと思います。
連休中の夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物から見ると2万円の大台を抜けてきそうです。2万円を抜けたところではさすがにいったんは達成感が出ると思われます。ただ、5月の急騰時のように一気に上値を試すということも考えられ、特に材料がないなかで日銀の金融政策決定会合までは買われるということもありそうです。それでもいったんは2万円を抜ければ売られ、割り込むと買われるということになるのでしょう。
本日の投資戦略
本当に5月の相場と同じような展開になりました。米国株高以上の上昇となったのですが、衆議院解散を好感したとの見方も出ていたようですが、単純に買い戻しを急ぐ動きがあったということではないかと思います。「選挙は買い」というような見方もあるようですが、実際に消費増税の問題などが取りざたされてくれば企業業績への影響なども懸念されるものと思います。
かなり強気な向きも出ているようですが、米FOMCや日銀の金融政策決定会合が終わってからも、買いが続くかどうかということになりそうです。米国での資産圧縮=金利上昇などを素直に好感することになるのか、すでに債券から株式にシフトした資金がさらに債券売り株式買いとなるのかどうかが注目されます。債券から株式へのシフトはすでにある程度出ているとすれば、資産圧縮の規模やペースに失望して債券の買い戻し、株式の売りということになる可能性もありそうです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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