昨日の海外時間には、米長期金利が上昇して円売りが優勢となりましたが、発表されたた米・8月小売売上高などが予想を下回ったことから円はやや買い戻されました。
昨日の海外時間には、FOMC待ちで特段の新規材料のない中、円買いが強まる場面もありましたが、米長期金利が上昇したことなどから円は売り戻され、結局111円台のレンジ取引が続きました。
欧州時間、東京時間終盤に円売りが強まった反動もあって、新規の材料はありませんでしたが、円の買戻しが強まってドル円は111.40円台まで、ユーロ円は133.30円台まで下落しました。この間ユーロドルは1.1970台まで下落したあと1.1990台まで反発しています。
NY時間にはいっても米長期金利がやや低下したこともあって円買いが続き、ドル円は111.20円付近まで、ユーロ円は133.20円台まで下落幅を拡大しました。その後NY時間午後にかけて米長期金利が上昇したことから再び円売りが優勢となって、ドル円は111.80円台まで、ユーロ円は133.80円台まで上昇しました。この間ユーロドルは1.1960台まで小緩んだあと、各国株価が上昇すると1.2000台まで上昇しました。
東京時間にはいってからは小動きの中、ややドルが弱含んでいます。
今日の海外時間には米FOMCが開催されて、イエレンFRB議長の会見が開かれるほか、独・8月生産者物価指数、英・8月小売売上高指数、米・8月中古住宅販売件数の発表が予定されています。
FF金利先物による年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約58%とやや上昇しています。
今晩のFOMCでは、近い将来の資産規模(バランスシート)縮小の開始が決定されると見られています。多くの市場関係者が決定を予想していますので、もし決定がなかった場合は、米長期金利の低下、ドル売り、という反応になると予想します。
一方縮小開始が決定された場合は、それだけではあまり大きな動きにならないと予想しますが、発表されるドット・チャート(FOMCメンバーによる金利見通し)で、2018年以降の金利見通しがどうのようになっているのか、それによって金利市場がどう動くのかによって反応が変わります。2018年末までで現在は約1.6回程度しか利上げが織り込まれていませんが、もしこの織り込みがもっと多くなれば円売りが強まると考えられます。逆に織り込みが減ってしまえば、円が買われるという展開も考えられます。
(提供:FXプライムbyGMO)
高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライム byGMOチーフストラテジスト。
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