気候の変わり目が相場の変わり目となるかどうかということになりそうです。選挙でのアノマリーが言われていますが、波乱含みの選挙でもし安倍政権が変わるということになると、株式市場は売られるのではないかと思います。1993年7月18日の選挙で日本新党が躍進、非自民連立政権ができた時も、記憶に新しいところでは2009年8月30日の選挙で当時の民主党政権が誕生した時も、「選挙までは高い」という感じであり、「変化を求めたものの、実際に変化が好ましくなかった」ということでその後は株価が急落しています。今回も新しい政党などに期待が高まれば高まるほど、選挙までは高くなり、その後急落が懸念されるということになりそうです。
民主党政権時代は選挙後の寄り付き後17分が日経平均の高値となっており、株価低迷の時代となりました。逆に選挙前から混乱が懸念されるようであれば、昨年の米大統領選挙のように選挙までは売られ、選挙後に上昇ということもありそうです。時期的な株式市場のアノマリーからいえば、10月中旬に安いということも多く、落ち着きのない相場が続くということもありそうです。
米国株が冴えない展開となったことや円高に振れたことから売り先行となりそうです。特に手掛かりに乏しい中で選挙期待から買われた反動もあり、少なくとも上値の重い展開になりそうです。北朝鮮の問題や選挙後の政局の混乱などを嫌気するような動きになってくると手仕舞い売りを急ぐ場面も出てきそうです。ただ、権利付き最終日ということもあり、高配当銘柄や好優待銘柄などは底堅さも見られると思います。
20,500円水準を超えないという雰囲気になっています。配当落ちがあるので、一気に配当落ちを埋めるのかどうかということも気になるのだと思います。配当落ちを埋めきれないということになると、先週の始めに空けた「窓」を埋めるような動きになる可能性もあり、その場合には20,000円を割り込むということも考えられます。当面、下値めどは「窓埋め」水準、上値は20,500円ということになりそうです。
本日の投資戦略
米国市場はやはり「FOMCまで」という形になりました。ダウ平均はまだいいのですが、ナスダック指数などは調整感が強まっているということなのだと思います。FOMCまでの債券売り、株式買いの流れということであれば、ここからは当面、10月中旬まで債券買い、株式売りということになるかもしれません。
米国市場が冴えない展開となり、為替も円高気味ということになると、日本市場でも上値の重さが嫌気されかけているところだけに調整となる可能性もありそうです。配当権利落ちを一気に埋めてくるかどうかということになりそうで、埋めないということであれば、逆に先週空けた「窓」を埋めるというのが素直な見方ということではないかと思います。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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