もう9月もあとわずかで朝晩は涼しいを通り越している感じですが、日中はまだまだ暑い日もあるのでしょう。株式市場は上がらず下がらず、方向感に乏しくなっていますが、積極的に買い上がるということでもないようです。9月末の配当権利落ちということで買いが細るかどうかということになりそうです。
新聞では「空売り」が多いと報じられていましたが、株主優待を取るための「空売り」をこれだけ証券会社が推奨しているわけですから、多くなるのも当たり前という感じです。安易に空売りをする人も多いようですが、空売りは気を付けた方が良いと思います。また、「選挙の買い」についても新聞で報じられていましたが、そもそもが「選挙」で何が変わるのかを見ておくことが大切だと思いますし、「選挙」で株が上昇したといわれているところでも実際には選挙が要因ではなく、単純に需給の調整ということでの上昇であったことの方が多いと思われます。そもそもが株式市場の政治への感応度は高いように思われていますが、政治で株価がどうなるということでもなく、株価が動くのはあくまでも「政策」なのだと思います。強気な向きも多いですが、週末の「バルスの呪い」や「賃貸住宅アノマリー」には引き続き注意が必要だと思います(?)。
米国市場はまちまちですが、為替が円安となったことから本日の日本市場は買い先行となりそうです。ただ、権利落ち日ということで配当落ち分を埋められるかどうかということになりそうです。いったん円安になったものの特に円安が進むということでもなければ、配当落ち分を埋め切れず冴えない展開になりそうで、上値の重さが気になると高値圏にあるだけに手仕舞い売りも嵩んでくるということになりそうです。
配当落ち分が130円~140円程度あると思われ、その分を埋めてくるかどうかということになりそうです。埋めきれずに冴えない展開になるとさらに手仕舞い売りが嵩むということになり、19日に空けた「窓」の水準である20,122円水準を割り込んでくると下の「窓埋め」となる可能性もあり、その場合は19,800円~900円水準まで調整ということもありそうです。
本日の投資戦略
米国市場ではダウ平均が今度は4日続落となり、先週までの展開と様変わりとなりました。これまで指摘してきたように「債券売り、株式買い」が変わったということですが、昨日は一服となったものの「債券買い、株式売り」が続くということになりそうです。日本市場でも「選挙は買い」という雰囲気になっていますが、北朝鮮問題や逆に政局の混乱を嫌気するということにもなりそうです。
積極的に買い上がる理由の特にない割には下げ渋りとなっていますが、配当権利落ち日ということでここから手仕舞い売りが出てくるかどうかということになりそうです。昨日までは「現物売り、先物買い」という配当取りの動きも出ていたのですが、ここからは逆に現物買い、先物売りという動きが出てくる可能性も高く、配当権利取り後の手仕舞い売りが嵩むようであれば目先の需給だけで大きく調整するということもありそうです。
清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 (現・
アルゴナビス
)、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。
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※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
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