様々な場面で役立つ「パレートの法則」

先に述べましたが「働きアリの法則」は「パレートの法則」「80:20の法則」とも呼ばれ、自然現象や社会現象、経済の世界の様々な事例に当てはめることができます。ちなみに、この法則を発見したのはイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートです。

「パレートの法則」は多くの事例が当てはまるのですが、その一部を列挙すると下記の通りとなります。

「売上げの8割は、2割の顧客で占められる」
「売上げの上位2割の商品が、全体の8割の売上げを占めている」
「Webのアクセスの8割は2割のページに集中している」
「故障の8割の原因は、全部品の中の2割の部品に原因がある」
「仕事の成果の8割は、仕事に費やした時間のうち『2割の時間』から生み出されている」

とても興味深い法則ですね。「パレートの法則」は、私たちに仕事をするうえで、どこに力を注げば良いのかを示しています。

たとえば、あるソフトウエアの話です。そのソフトウエアはとても人気があるのですが、消費者はその機能の約2割しか使いこなせていません。つまり、その2割の機能が売上を支えています。あまり使われていない機能に力を入れて底上げを図るよりも、良く利用されている機能を「より伸ばす方向」で開発を進めたほうが、結果として効率良く収益を伸ばすことができるのです。

いま、日本社会は「働き方」を含めて様々な変化のときを迎えています。何を変えるべきか、どう変わるべきか、ひとり一人が考えるべき局面を迎えているように思います。今回紹介した「働きアリの法則」「パレートの法則」が読者のみなさんの考えるヒントとして、少しでもお役に立てば嬉しいです。

長尾義弘(ながお・よしひろ)
NEO企画代表。ファイナンシャル・プランナー、AFP。徳島県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。1997年にNEO企画を設立。出版プロデューサーとして数々のベストセラーを生み出す。著書に『コワ~い保険の話』(宝島社)、『こんな保険には入るな!』(廣済堂出版)『怖い保険と年金の話』(青春出版社)『商品名で明かす今いちばん得する保険選び』『お金に困らなくなる黄金の法則』(河出書房新社)、『保険ぎらいは本当は正しい』(SBクリエイティブ)、『保険はこの5つから選びなさい』(河出書房新社発行)。監修には別冊宝島の年度版シリーズ『よい保険・悪い保険』など多数。

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