前週(9/25~9/29)の日本株は、米朝関係の緊迫で伸び悩む局面もあったが円安に支えられて続伸、週間では3週連続の上昇となった。日経平均株価指数は、25日に引け値ベースでの年初来高値を更新し、週末には2万356円28銭と前々週末比59円83銭(0.3%)高で引けた。
解散総選挙による株高のアノマリーで年初来高値を9月21日に更新した前々週の流れを引き継いだ。ドイツ総選挙が波乱なく通過し、国内では総選挙後に大型補正予算の期待が高まった。
米FRBの12月利上げがコンセンサスになりつつあり、日米金利差が拡大する思惑が強くなった。また、トランプ大統領の法人減税とレパトリ減税案でドル高、円安を見込む向きが増えたことで、27日のNY時間にドル円は一時7月14日以来の113円台を着けた。円安を好感して、日本株は再び上値トライの展開になっている。
今週は名実ともに10月入りとなる。月初日は株高のアノマリーがあり過去15ヶ月連続で上げている。総選挙は10日告示、22日投開票の予定。解散から総選挙までは90年以降の過去9回で8勝1敗。特に過去4回は連勝中で株高のアノマリーがある。
企業業績は9月中間決算が締まったため、決算修正が出始めるはずだ。上方修正が多ければ割安感が台頭し、上値追いとなる可能性が高いだろう。
今まで日本株のウエイトを下げていた外国人投資家や国内機関投資家が、円安・株高にトレンド変化してきたことで日本株を買い始めたとの話も聞こえてきている。
地政学リスクは予断ならないものの、北朝鮮は経済封鎖が効きはじめてガソリンの値上がりなどが激しくなってきており、追い詰められて5カ国協議に応じる可能性も出て来ているという。
16年6月につけた2万0952円を抜きITバブル以降の高値更新への期待が高まっている。
前週(9/25~9/29)の振り返り
25日の日経平均株価は反発、前週末比101円13銭(0.5%)高の2万0397円58銭で引けた。
24日投開票のドイツ総選挙でメルケル首相の与党キリスト教民主同盟の勝利が東京時間早朝に報じられた。イベント無事に通過したことでユーロが買われ円安が進んだ。安倍首相が2兆円規模の新経済対策を策定するとの報道も日本株を押し上げた。引け値ベースで年初来高値を更新し、15年8月18日以来およそ2年1カ月ぶりの高値となった。
26日の日経平均は反落、前日比67円39銭(0.3%)安の2万0330円19銭で引けた。
北朝鮮の李容浩外相がトランプ大統領の国連演説は北朝鮮に宣戦布告を行ったものだと名指して批判したため緊張感が走り、一時111円70銭台の円高となり日経平均はスピード調整した。
27日の日経平均は続落、前日比63円14銭(0.3%)安の2万0267円05銭で引けた。
米共和党は新たなオバマケアの改廃案の採決を見送り、27日にトランプ大統領と共和党が共同で発表する予定の税制改革案の実現に不透明感が高まった。NYタウが4日連続安とさえないこともあり日本株にも模様眺め気分が広まった。日銀は7月22日以来の739億円のETF買いを入れた。
28日の日経平均は反発、終値は前日比96円06銭(0.5%)高の2万0363円11銭で終えた。
米トランプ政権が法人減税とリパトリ減税を発表、米株式相場が上昇し、ドルが買われドル円相場が一時113円台に下落した。円安を背景に買い安心感が広がり日経平均を押し上げた。リパトリは米国内にドルが還流するため円安要因。
29日の日経平均は小幅に反落、前日比6円83銭(0.0%)安の2万356円28銭で終えた。
円安が一服し、円安感応度の高い自動車株などに利益確定の売りが出た。午後に今週2回目の日銀のETF買いが入り、一時上昇に転じる場面もあった。
日経平均が週末、月末で伸び悩むなか、新興市場は3連騰し、個人の買い意欲も盛り上がりはじめた。
29日引け値基準で日経平均銘柄入れ替えがあった。リクルートと日本郵政が10月2日から新規採用、北越紀州紙と明電舎が除外された。東証1部の売買代金は、日経平均銘柄入れ替えに伴う商いがあったため2.96兆円と膨らんだ。