昨日の海外時間は、NY債券市場がコロンブス・デーで休場だったこともあってもみ合いが続きました。

昨日の海外市場

FXプライム,高野やすのり,市況解説
(写真=PIXTA)

欧州時間、英統計局が先週金曜日に発表した第2四半期単位労働コストを、第1四半期分と共に大きく上方修正したことからポンドが買われ、ユーロもつれ高となって、ユーロドルは1.1740台まで、ユーロ円は132.30円台まで上昇しました。一方ドル円は112.60円台を中心とした狭いレンジ取引が続いていました。

NY時間午前は、コロンブス・デーで債券市場が休場となる中全体的に薄商いとなって各通貨ペアとも小動きが続きました。NY時間午後にNYダウがやや下落したことから円買いが強まってドル円は112.50円付近まで下落しましたが、すぐに反発しています。

FF金利先物によれば年内のFOMC追加利上げ織り込み度合いは約88%、また2018年6月までの2回目の利上げも約57%織り込まれています。

今日の予定

今日の海外時間には独・8月経常収支/貿易収支、英・8月鉱工業生産、英・8月貿易収支の発表があるほか、カシュカリ・米ミネアポリス連銀総裁の講演が予定されています。

今後の見通し

前週金曜日に発表された米・9月雇用統計は、非農業部門雇用者数こそ予想外ののマイナスでしたが、労働参加率が上昇する中での失業率の低下や、平均時給の伸びが過去分の上方修正も含めて予想以上であったことなど、総じて堅調で、ドルに追い風となってもおかしくない結果でした。しかし、北朝鮮が近日中に再びミサイルを発射するのでは、との懸念が高まったことから円買いが強まったことで、ドル円は再び先週半ばからの取引レンジの中心である112円台後半のもみ合いに戻ってしまっています。

今週も基本的には米長期金利動向がドル円を動かす一番の材料となろうが、地政学的リスクが遠のかないと上値は重いと考えられる。また今日公示された衆議院選挙では、小池都知事の立候補の可能性がほぼなくなったことと、安倍首相が勝敗ラインを与党(自民、公明)で過半数としたことから、安倍政権継続の可能性が非常に高くなったことで、リスク要因としては意識されていない模様です。

レンジ取引前提で時には逆張りも有効

今日は米長期金利が大きく動くような材料の予定もないことから、衆議院選挙で小池都知事が出馬するなどのサプライズがなければ引き続き112円台後半を中心としたレンジ取引が続くと予想して、112.30円台付近まで下がればドル買いポジションを、113円台に乗せればドル売りポジションを構築したいと考えています。ただし、112円割れ、113.50円付近では撤退するべきでしょう。

(提供:FXプライムbyGMO)

高野やすのり
慶應義塾大学卒。チェース・マンハッタン銀行(現J.P.モルガン・チェース銀行)、スイス・ユニオン銀行(現UBS銀行)などでインターバンクディーラー業務等に従事。現、(株)FXプライムbyGMOチーフストラテジスト。

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