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職場
Written by 渡邊祐子 17記事

厚生労働省発表

「AIが新しい業務を創出する」が26% 、残業削減の効果ある取り組みは? 労働経済白書

残業削減には「短時間で質の高い仕事をすることへの評価」「仕事を代替できる体制の整備」が効果的だと考えられているものの、企業の取組みとしては十分に行われていないことが分かった。

厚生労働省が公表した「平成29年版 労働経済の分析」(「労働経済白書」)で示されたもの。実際の取り組みとしては、「残業禁止日の設定」「上司からの声かけ」を行う企業が多数となっている。

白書の今回の分析テーマは「イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題」。経済の好循環のためには、イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現の両立を図ることが不可欠であるとしている。

「考えられるAIの役割・機能」とは?

働き方改革,調査,厚労省
(写真=docstockmedia/Shutterstock.com)

経済成長を生み出すにはTFP(全要素生産性)を高め、イノベーションを実現することが重要だ。しかし、現在の日本では設備の老朽化は進んでおり、製品開発や研究開発への投資も少ない。イノベーションが進んでいるとは言えない状況だ。

白書掲載の調査によると、「設備投資の動機」で一番多いのは「能力増強」で43.1%、次いで「維持・補修」20.4%となっている。研究開発や新製品開発への投資を見ると、「新製品・製品高度化」9.0%、「研究開発」3.7%と低水準となっている。イノベーションの実現には、積極的な投資が必要だろう。

「イノベーション活動の阻害要因」としては、「能力のある従業者の不足」(70%)との回答が最多だった。教育訓練を実施していない企業は6割以上あり、今後の促進が課題となる。また、イノベーションの実現には「研究開発成果を反映した人事評価」や「裁量労働制」の導入が効果的であることが分かった。

白書ではAIの活用に対する影響にも言及している。「考えられるAIの役割・機能」では「既存の業務効率・生産性を高める(67.5%)」「既存の労働力を省力化する(54.4%)」との回答が多かった。

既存業務で活用を考えている企業は多いが、一方で新しい付加価値の創出ために活用を考える企業は少ないことが分かった。「新しい価値をもった業務を創出する(26.3%)」「新しい業務に取組む意欲や満足度を高める(12.3%)」などは少数だが存在している。

AIの進展により雇用のあり方が変わり、職種によっては就業者数が大幅に減少すると予想されている。「2030年までの就業者数の増減」を見ると、「定型的業務が中心の職種(386万人減)」の就業者は減少が見込まれる一方、「技術が必要な職種(35万人増)」「人間的な付加価値を求められる職種(190万人増)」などは増加が見込まれている。AIが雇用に与える影響は、職種によって大きく異なることが想定される。

働き方に不満足の「理由は収入」が約9割

白書によれば週60時間以上の長時間労働者の割合は減少傾向にあるという。しかし、減ってはいるものの依然として1割以上は存在している。この比率は国際的に見ても高い水準だ。

調査によると「残業削減の取組み」が「ある」とした企業は92.6%だった。そのうち実際に労働時間が「短縮された」が52.8%、「変わらない/よく分からない」が45.9%となっており、効果が出ている企業は限定的であることが分かる。

将来、柔軟な働き方が広がると考えられている。「雇用によらない働き方に満足する理由」を就業者にたずねたところ「自分のやりたい仕事が自由に選択できる(55.3%)」が最多だった。その他、「家族との時間・育児や介護の時間がとれる(26.7%)」「人間関係の煩わしさがない(26.6%)」などが挙がっている。

一方、「雇用によらない働き方に不満足の理由」では「収入面(昇給なし・不安定等)」との回答が89.8%と最も多かった。続いて「スキルアップや成長ができないため・将来の展望がもてないため(31.4%)」となっている。雇用によらない働き方はワーク・ライフ・バランスの実現に効果的だと言えるが、収入面で不満を感じる人が多数いることが分かる。

イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題にどう対応していくか。日本の経済成長のカギはそこにある。(渡邊祐子、フリーライター)

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